第24話 「濡れる瞳」
――何が起きたのか、夏実はしばらくわからなかった。
さっきまで、今までにないほど近い場所に京輔の顔があって。
でも次の瞬間には、離れていて。
「……」
それなのに、夏実の手は自然と――自分の唇に触れていた。
一瞬の出来事すぎて自覚する暇もなかったはずなのに――夏実は徐々に理解していく。
「……嫌だった?」
離れた京輔の顔が、真剣な顔つきのまま夏実を見つめた。
――キスを、された。
何度か想像しては悶(もだ)えていたはずなのに、いざそれが起きたらどうしたらいいか、夏実にはわからなかった。
でも。
「……っ」
夏実は、小さく首を横に振っていた。
「っ!」
そんな夏実を見た京輔が、ほっとしたように小さく微笑む。
それから一度目を閉じる、再び目を開(ひら)いた。
「もう一回――いい?」
「――っ」
京輔の瞳に捕まった夏実は、言葉と同時に**************************
******************
****************************
*********
****************************
*********************
*************
***********
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!