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こんにちは、ましゅまろです。
前回の続きです。
「着いたぞ〜!」
「ねえ何歌う?何歌う?」
「ボカロ何でもいいから入れてー」
「タブレット貸して!俺曲入れる!」
1曲目は、ハルが入れたボカロ曲だった。
マイクを口に近付けたハル。
ハルがすっと息を吸った次の瞬間、澄んだ歌声が響き渡った。
ボカロによくある高音も、声が小さくならずに歌えている。
心なしか、いつものハルより輝いて見えた。
「ハル…」
曲が終わると、リクが前のめりになってハルに聞いた。
「ハルって、あの歌い手の『Haru』だったの?!」
「う…リク、知ってたんだ」
「歌みた聞いたことあってさ。すごいね、ハル」
「…このことは、5人だけの秘密にして」
誰からともなく頷いた僕ら。
数時間経って解散した後、僕はスマホの動画投稿サイトを開いた。
『Haru』と検索すると、1つのチャンネルが表示された。
『-Haru-』
チャンネル登録者数は、1000人ほど。
チャンネル登録と書かれた場所を押した瞬間、リクからメッセージが届いた。
『明日学校で旅行のこと話そ!』
『明日学校で旅行のこと話そ!』
その文面をみて、ふうっとため息をつく。
何で自分のこと誘ったんだろう。
理由が一向にわからず、パソコンに表示された自分のアカウントを眺めてもう一度ため息をついた。
『新人歌い手・ーHaruー』として活動する自分───悠。
歌い手になろうとしたのは、推しと同じ仕事をしたいと思ったから。
初めてライブに行った時のことは今でも覚えてる。
ライブ終わり、親に歌い手になりたいと打ち明けた。
第一声は、『ふざけるな』だった。
安定した収入が得られないからダメ、らしい。
数日後に親に聞かれた。
『本当に歌い手になりたいの?』
その声音に軽蔑が混じってたから、本当のことなんて言えなかった。
『いや、別に。多分テンション上がって言ってただけだから』
だからもう、諦めたよ。
そう言うと、お母さんもお父さんも満足そうな顔をしてて。
なんかムカついて、何とか反抗したくて、お小遣いとお年玉をコツコツ貯めて機材を買った。
配信を始めたら、次第に見てくれる人が増えて。
まさかクラスメイトに見られているとは思わなかったけど。
パソコンを立ち上げて、自分のアカウントを開く。アイコンは、悩んだけど画像生成アプリで作った黒い桜の画像にした。
黒い桜にちゃんとした花言葉はないけど、黒い花は『憎しみ』、桜は『純粋さ』を表すらしい。
本当は人のイラストを描きたかったけど、自分は絵が絶望的に下手だった。
自分が転校してきたのは、親の仕事とか、そういう理由じゃない。
ある日学校に行くと、なぜかクラスメイトが歌い手活動のことを知っていて。
何で知っていたのかは、今でも分からない。
歌い手活動のことを妬ましく思ったクラスメイトたちは、自分のことをいじめだした。
何でお前なんかが。
大人しく生活してればいいのに。
出しゃばんなよ。
精神的に辛くなって、苦渋の決断の末親に相談した。
都会から離れたところに引っ越して、もう今度は誰にも気付かれないように大人しく生活していた、つもりだったのに。
数日前に上げた動画に幾つかコメントがついていた。
『歌声めちゃくちゃ好きです!配信やってください!』
『歌みた聞きたい!』
『ゲームできますか?』
「ゲーム実況配信でもやるかぁ…」
『明後日ゲーム実況やります!絶対来てね!』
メッセージアプリの公式アカウントにそう送ると、部屋の隅のピアノに手を置いた。
「着いたぞ〜!」
「ねえ何歌う?何歌う?」
「ボカロ何でもいいから入れてー」
「タブレット貸して!俺曲入れる!」
1曲目は、ハルが入れたボカロ曲だった。
マイクを口に近付けたハル。
ハルがすっと息を吸った次の瞬間、澄んだ歌声が響き渡った。
ボカロによくある高音も、声が小さくならずに歌えている。
心なしか、いつものハルより輝いて見えた。
「ハル…」
曲が終わると、リクが前のめりになってハルに聞いた。
「ハルって、あの歌い手の『Haru』だったの?!」
「う…リク、知ってたんだ」
「歌みた聞いたことあってさ。すごいね、ハル」
「…このことは、5人だけの秘密にして」
誰からともなく頷いた僕ら。
数時間経って解散した後、僕はスマホの動画投稿サイトを開いた。
『Haru』と検索すると、1つのチャンネルが表示された。
『-Haru-』
チャンネル登録者数は、1000人ほど。
チャンネル登録と書かれた場所を押した瞬間、リクからメッセージが届いた。
『明日学校で旅行のこと話そ!』
『明日学校で旅行のこと話そ!』
その文面をみて、ふうっとため息をつく。
何で自分のこと誘ったんだろう。
理由が一向にわからず、パソコンに表示された自分のアカウントを眺めてもう一度ため息をついた。
『新人歌い手・ーHaruー』として活動する自分───悠。
歌い手になろうとしたのは、推しと同じ仕事をしたいと思ったから。
初めてライブに行った時のことは今でも覚えてる。
ライブ終わり、親に歌い手になりたいと打ち明けた。
第一声は、『ふざけるな』だった。
安定した収入が得られないからダメ、らしい。
数日後に親に聞かれた。
『本当に歌い手になりたいの?』
その声音に軽蔑が混じってたから、本当のことなんて言えなかった。
『いや、別に。多分テンション上がって言ってただけだから』
だからもう、諦めたよ。
そう言うと、お母さんもお父さんも満足そうな顔をしてて。
なんかムカついて、何とか反抗したくて、お小遣いとお年玉をコツコツ貯めて機材を買った。
配信を始めたら、次第に見てくれる人が増えて。
まさかクラスメイトに見られているとは思わなかったけど。
パソコンを立ち上げて、自分のアカウントを開く。アイコンは、悩んだけど画像生成アプリで作った黒い桜の画像にした。
黒い桜にちゃんとした花言葉はないけど、黒い花は『憎しみ』、桜は『純粋さ』を表すらしい。
本当は人のイラストを描きたかったけど、自分は絵が絶望的に下手だった。
自分が転校してきたのは、親の仕事とか、そういう理由じゃない。
ある日学校に行くと、なぜかクラスメイトが歌い手活動のことを知っていて。
何で知っていたのかは、今でも分からない。
歌い手活動のことを妬ましく思ったクラスメイトたちは、自分のことをいじめだした。
何でお前なんかが。
大人しく生活してればいいのに。
出しゃばんなよ。
精神的に辛くなって、苦渋の決断の末親に相談した。
都会から離れたところに引っ越して、もう今度は誰にも気付かれないように大人しく生活していた、つもりだったのに。
数日前に上げた動画に幾つかコメントがついていた。
『歌声めちゃくちゃ好きです!配信やってください!』
『歌みた聞きたい!』
『ゲームできますか?』
「ゲーム実況配信でもやるかぁ…」
『明後日ゲーム実況やります!絶対来てね!』
メッセージアプリの公式アカウントにそう送ると、部屋の隅のピアノに手を置いた。
『第二部』
「リク、旅行ってどこ行くの?」
学校に着いて、隣の席のリクに話しかける。
「自分も気になってた」
僕、ゆうの問いかけにハルも賛同して、リクの席にやってきた。
「ハル行く気になってくれたの?それがさ、まだ全然考えてないんだよね。青野第一公園、わかる?そこでちょっと話そうよ」
「わかった。じゃあまた公園でね」
公園に着いたのは、僕が…ゆうが、最後だった。
「ハル、行く気になってくれた?」
「そもそも何で最初断ったの?」
「前の学校でいじめられてた。歌い手活動のことバラされて。今回は大人しくしてたつもりなんだけど、やっぱ無理があったね」
そんな会話が聞こえてきて。
「なのに活動続けてるのすごい。歌うの好きなんだね」
話に割り込むと、ハルはびっくりしたようにこっちを振り向いた。
「みんなのこと信用出来ないって言ったのも、それが理由。また何か言われるんじゃないかっていう恐怖の方が勝っちゃった」
かなはハルじゃなくて、どこか遠くを見ていた。
「でも、遊びに行った時もみんな優しくて。正直戸惑ったよ、人ってこんなに優しいんだね」
寂しげに笑ったハルは、ありがとう、と口にした。
「ありがとう。みんなのおかげで、人の優しさ思い出せた。旅行、一緒に行かせてほしい」
僕らは息を飲んだあと、お互いを見合わせて頷いた。
「もちろん。一緒に行こ」
リクが笑って、ハルも微笑んだ。
旅行の行き先について話していると、見たことの無い女性が走ってきた。
「凪!」
───なぎさが、顔をしかめた。
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