tg視点
映画が終わったあとも、俺の心臓は落ち着かないままだった。
だって、先輩の手が、まだ俺の手の上に乗ってる。
tg 先輩…
pr ん?
tg そろそろ……手、どけてくれませんか……?
俺が顔を逸らしながら言うと、先輩はニヤッと笑う。
pr んー? ちぐ、途中でちょっと握っとったよな?
tg っ!! そ、それは……!
映画の中盤、怖すぎて無意識に先輩の手を握ってしまった瞬間があった。
もちろん、すぐに離そうとしたけど、先輩が逆に握り返してきて――
pr 俺、ちぐに頼られるん嬉しいし、このままでもええんちゃう?
tg ~~っ!! だ、ダメです!
pr ふふ、じゃあしゃあないな
そう言いながら、先輩はゆっくりと俺の手を離した。
のに。
tg っ!? え、ちょ!
手を離したと思ったら、そのまま俺の指を絡めて、ぎゅっと握り直してきた。
tg え、えええっ!? ちょ、なんで……!?
pr なんでって恋人やから?
tg ~~っっ!
もう顔が熱すぎて、どうにかなりそうだ。
pr ほら、行こか
tg ……っ!!
先輩に手を引かれるまま、俺は顔を伏せて歩き出す。
周りの人が俺たちの繋がれた手を見てる気がして、余計に恥ずかしい。
tg こんなところで繋がなくてもいいじゃないですか……!
pr なんで? ちぐは俺と手繋ぐん嫌?
tg そ、それは……
嫌じゃない。むしろ、嬉しくて仕方ない。
でも、恥ずかしすぎる……!!
pr ふふ、可愛いなぁ、ちぐは
tg ~~っ!! もう知りません!!
俺は顔を真っ赤にしたまま、先輩に引かれるまま歩くことしかできなかった。
――このデート、終わるまでに俺の心臓は無事なんだろうか……。
ちょっと書き方変えてみた!
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