前回のあらすじ、里妬ちゃんが落とし物を拾いました。
「なにこれ、変なの」
「里妬ちゃん、人のものだよ」
里妬はしゃがんでキーホルダーを見つめている。ルシファーは少しワクワクしたようなそんな里妬をみている、里妬はその視線に気づきルシファーを顔を見る。どうせこの落とし物を持主か交番にでも届けて幸せ貯金箱をためて欲しいのだろう。里妬は立ち上がり少し周囲を見回した後歩き始めた。
ソコから少し歩いたコンビニでは、コンビニの窓ガラスにへばりついてる超絶美少女が、甘い吐息を漏らして何かを待ちわびてるように綺麗な瞳を震わせて居る、その顔は…いや姿はまるで恋する乙女のような風格を漂わせていたのである。その姿はあまりにも目立っているが超絶美少女過ぎるせいなのか特にそんなコンビニの窓ガラスに張り付いてることなんて誰も気にしないのである。そんな中、コンビニから肉まんとビニール袋を片手に出てきた丸眼鏡の少女が出てきた。窓に張り付く超絶美少女に話しかけた
「…!、ンもうお姉ちゃん!やめてよ窓ガラスに張り付くの!まだお姉ちゃんの目当ての店員さん来てないから、ね?また後から来よう?ねっ?彩芽お姉ちゃんっ?」
「あぁ百音ごめん〜♡でもそのまた後での間に来たら少しでもあの人を見る時間がなくなっちゃうじゃん!!後1時間っ!1時間だからさ?付き合ってよ百音ぇ♡」
どうやら姉妹の様だ、そして妹の名前は百音(モネ)、姉の名前が彩芽(アヤメ)らしい
「駄目!この前通報されたばっかりじゃん!」
「未成年だからセーフセーフ!」
「もうお父さんとお母さんにバレるのやだよ!それにもうお姉ちゃんもう大学生じゃん!」
「駄目かぁ…でもさぁ?大学生ならセーフじゃない?私まだ19歳じゃん」
「それはぁ…」
それは確かにと思ったのか、百音は後ろに背負っていたリュックを前に持ってきてスマホを取り出した
「…あれ?キーホルダー無い…?」
どうやらスマホにつけていたキーホルダーを無くしたようだ
「えぇ!せっかくおソロで付けてたのにぃ!」
百音は少しコンビニの駐車場内を歩き回って探したが何処にも見当たらなかった。
「ど…どうしようっ…無くした!?」
「?アレ!、百音アレ」
「ん?…ぁ」
百音が視線の先に見つけたのは里妬だった。
里妬はルシファーと歩いて居て少し小話をしている様子だった、どうやらルシファーが別の世界に居た話や地獄に居た頃の話、他の堕天使の話をしていた。里妬はあまり表情を変えてなかったが本心は相当ワクワクしているようだ、そんな里妬を見て少し不思議に思ったが、里妬が手に持っているキーホルダーのほうが優先事項、百音は里妬に近づき緊張したような声をかけた。
「あぅ…あのっ!」
里妬は少しビクッと飛び跳ねた後、百音の方を見た。
「その…そのキーホルダー私の…なんです!拾ってくれてありがとうございます!」
ルシファーは百音が落とし主と言う事を聞くとパァっと明るく怪しい笑みをする。どうやら里妬の人とのコミュニケーションを見れるチャンスと見て取ったらしい。ルシファーから見た里妬は見るからに友達0!頭は割といい!運動もそこそこ出来る!だが人…いや人類とのコミュニケーション能力0!どうやらルシファーから見た里妬は、大体何でも出来るが友達が出来ない半完璧系陰キャ(16)!友達なんぞ縁のない人生を歩んできた人間なのだ!そんな里妬の人との会話を見るチャンス、ルシファーにとってこれ以上の好奇はないのだ。そんな事を思いながらルシファーはニヤニヤしながら里妬の顔を見る。
「そうですか!良かったぁ、見つかって…はいこれ!」
ルシファーは困惑していた、今日会ったばかりで、笑顔なんざ一切見せずにここまで来たがえげつないほど綺麗な笑顔…だったがルシファーから見たら単なる作り笑顔にしか見えなかった、どうやら心の汚れた人にはバレてるようだ。ルシファーは百音の反応を見ようと横目で見てみた。
「…!ありがとうございますっ!今度からは気おつけますね!」
ルシファーから見たら汚くて綺麗な笑顔でも、百音…いや、陰キャから見たら凄く愛想のいい綺麗な笑顔に見えるのだろう。ルシファーは人間が少し怖い生物に見え始めてきた
コンビニから離れた広場で幸せ貯金箱を確認してみると、少し金色の液体の様な物が中に入っていた。
「液体なんだ…」
「生物の幸せはジュウニントイロってやつだからね、どんなものにもなれる液体が最適なんだろうね」
「無駄にそこらの設定は凝ってるな」
里妬は貯金箱をクルクル回して中でチャポチャポと揺れる液体を見ている。ルシファーは里妬の物珍しそうな反応を見れて満足してるようだ。すると里妬は足元に視線を移した。どうやら空き缶のゴミを捨てたようだ、里妬は少しニヤッと笑いながら足元の空き缶のゴミを摘み、近くにあったゴミ箱に捨てると少しドヤ付いた顔でルシファーの方を見た。
「溜まった?」
もう一度幸せ貯金箱を見たが量は全然変わっていなかった。里妬は不満げな顔でしゃがみながらルシファーとベンチに置いた幸せ貯金箱を見つめる
「何で溜まってないの?」
「里妬ちゃん、ゴミ拾いしてる人とか見ていい事してるなとか思ったことある?」
「…ほぼ見てないし無視してる」
「多分里妬ちゃんみたいな人間が、今更ゴミ拾っていい事としたとは何様だこの野郎テヤンデイって幸せ貯金箱が判断したんじゃないの?」
「コイツ頭いいな…」
里妬は貯金箱に知能があることに少し苛ついたらしい。
その後里妬はおばあさんの荷物を持ったり、また落とし物を拾って交番に届けたり、たまたま通りかかった万引き犯に足を引っ掛けて転ばせたりと善行を積んでいき、とうとう十個溜まった。
「溜まった…」
里妬はベンチに寝っ転がっている、いい事しようとしてもあまり無いので疲れたようだ。
「里妬ちゃんお疲れ様ー!」
里妬とは真逆で元気の良さそうなルシファーは里妬の苦労を尻目に元気にピョンピョコ跳ねている。里妬は呆れた顔をしてベンチに座って頭をポリポリと搔く、ルシファーは里妬が座ったのを確認して里妬の前にピタッと立ち止まると、背中にある小さくした羽を突然バサッと大きく広げた。
「さぁ里妬ちゃん!せっかく貯めた幸せ貯金箱で!君は一体何の願いを叶える!?」
ヒラヒラと舞い落ちるボサボサの綺麗な羽、そんな中里妬は目をつむり考える。
「私の…願い…」
ルシファーは里妬を見ながらニヤニヤしている。しばらくして里妬はゆっくりと目を開けルシファーに伝える。
「特に考えてなかった」
「え゙ぇ゙っ゙!?」
ルシファーは何処かションボリしたように耳と羽を下げる。
「本当に!?本当に何もおもいつかない?!世界一可愛くなりたいとか!」
「別に」
「世界一頭が良くなりたいとか!」
「毎回テスト90点以上は取ってるもん」
「モテモテにして逆ハーレム作りたいとか!」
「恋愛興味ない、男苦しいの自体嫌い」
ルシファーは頭をグリグリとし、踏ん張り考えをひねり出そうとしました。
「世界征服!!」
「前から思ってたけど世界征服って何、何するつもりなの」
ルシファーは今にも崩れ落ちそうな状態になった。ルシファーは涙目になりながら里妬の肩をガッチリ掴み里妬を揺らす
「なんか無いのなんか無いのなんか無いのぉ゙!!」
「揺らすな酔う!!」
里妬はルシファーに手を離してもらい考える。すると里妬は足元に生えてる、名前も分からない真っ白で、何回も踏まれたような萎れた花を見る。里妬は涙で潤んだ目でこちらを見つめている、そんな彼の顔に小さくため息をつきながらルシファーに言う。
「ルシファー、決めた」
ルシファーはパッと顔色を替え、満面の笑みで里妬を見る
「なんだいなんだい里妬ちゃん!!何でも言ってご覧!この堕天使ルシファーに!」
里妬はルシファーを見あげる。
「花の髪飾りが…ほしい、真っ白な花の髪飾り」
ルシファーはその言葉を聞き、キョトンとした顔で里妬を見つめる。
「本当にそんなのでいいの?せっかく貯めたんだよ?」
「これだけで貯金箱がなくなるわけじゃないでしょ?じゃあ今回はこれでいい」
ルシファーは少し悩ましげに眉間にシワを寄せると里妬はルシファーを見上げて、「何か不満か?」と言いたげな顔を向ける。ルシファーはもう諦めたようにため息を吐くと、袖越しに手を合わせゴソゴソと擦り付ける。
「もう仕方ない、里妬ちゃんは欲がないなぁ」
ルシファーはゴソゴソゴシゴシと手を擦って、いきなりパッと手を広げると手のひらサイズの白い花を出した。
「お、マジで出てきた」
「でしょ〜?さっ里妬ちゃん、こっちおいで」
「?」
里妬は少しルシファーを睨みながら歩み寄る。するとルシファーはバッ!と里妬に飛びかかる。里妬は驚き、しばらくルシファーと揉み合いになった…
「はいっ!完成!」
里妬はボサボサになった髪を少し整える。里妬の手がどいた瞬間、里妬の髪には白くて綺麗な花が一輪、飾られていた。ルシファーはその里妬の姿を見て満足気にふんっと笑う。
「似合ってるよ、里妬ちゃん」
「ん…」
ルシファーの言葉を聞いた里妬は、少し頬を赤くし照れくさそうな顔をした。
一方天界では、大きな目玉が一つある天使らしき奴が、大きな木の周りをふよふよと浮いている。わかる人は少ないだろうか、ここは神話のエデンらしい、つまりその大きな木は知恵の実・禁断の果実と呼ばれる林檎の木。知ってる方も居るたろうが、神話に取って林檎はアダムとイヴがエデンから追放された原因である。詳しくはググって来いください。
天使らしき奴はどうやら、林檎の花の数を数える役目があるらしい。すると突然天使らしき奴が慌て始めた、どうやら林檎の花がいつもより一つ足りないらしい。
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