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枯れた花

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枯れた花

4 - 第4話

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130

2024年02月10日

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いつからだろう。


人を愛せなかった俺が、

誰かを本気で好きになったのは。


〈目黒side〉

目 “照さん、元気ないですね。

  まさか、本当に恋人に振られたとか?”

仕事の休憩中、

喫煙所で俺は照さんと2人きりだった。

岩 “うるせ。”

目 “あ、、マジなんだ。”

岩 “俺が悪いんだよ。

   あいつがいることに甘えてばっかで。

  仕事を言い訳にあいつのことなんも考えな  くて。”

目 “それは愛想つかされますねー。”

岩 “俺、もうどうすりゃいいかわかんねぇよ。”

目 “照さん、昨日俺が言ったこと覚えてます?”

岩 “、、なんだっけ。”

目 “照さんが別れたら俺が照さんと付き合うっ  て。”

岩 “は、、、?”

目 “俺にしません?

  俺ならそんなこと気にしませんよ。”

岩 “目黒、何言って、、”

目 “照さんの事、好きって言ってるんですけど。”


俺は昔から、他人に興味がなかった。

友達は全て表面上で、

本心ではどうでもよかった。

今まで恋人は出来たことがなくて、

欲を満たすためだけのセフレしかいなかった。

そんな俺が、初めて人を好きになった。

本気でその人のものになりたい。

そう思った。

それが照さんだった。


自分で言うものでもないけど、

俺は自分の顔に自信がある。

学生の頃も、何人もの女子に告白された。

俺に告白してきた奴は、口を揃えて言う。

“目黒くん、かっこいいから。”

俺の取り柄は顔で、

裏を返せば、顔以外取り柄がなかった。

俺の顔だけで、誰も俺の中身を見てくれなかった。

そのせいで、俺自身も人を愛せなくなった。


自分の努力を認めてもらいたくて、

新卒で今の会社に入った。

その時の教育係が照さんだった。

俺は照さんの教育を受けてみるみる成長し、

俺の営業成績はみるみる伸びていった。

ある日、俺は大型の契約を取り付けた。

何日も残業をして、プランを練って、

ようやく取り付けた契約だった。

“君の実力と熱意は凄いね。尊敬するよ。”

取引先の人にそう言われたとき、

努力が認められた気がして嬉しかった。

でも、その契約のせいで俺は、

俺を敵視している上司の成績を抜いてしまった。

“目黒、新人のくせに生意気だよな。

あの契約も、どうせ顔で取ってんだろ。”

“社長のこと誘ってたりしてな、笑”

その上司が話しているのを聞いてしまった。

やっぱり俺には顔しかない。

どんだけ努力しても、伝わらないんだ。

岩 “何言ってるんですか。”

照さんの声だった。

岩 “目黒は努力して契約を撮ったんです。

  朝1番に出社して、残業もして。

  教育係の俺は、ずっとその姿を見てまし  た。

あいつの努力、認めてやってください。”

その時、俺は照さんに恋に落ちた。

照さんは、初めて俺の内面に触れてくれた。


目  “照さんの事、好きって言ってるんですけ    ど。”

岩 “お前、疲れてんだろ。

  なんだよその冗談。”

煙草を捨てて喫煙所を出ようとする

照さんの腕を掴んだ。

目 “俺、本気ですから。”

そう言って俺は照さんにキスをした。

ほのかに煙草の香りがした。

目 “俺と付き合ってください。”

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コメント

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うわぁぁぁああ!!好きぃぃい!

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