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「やっほーしぐれくん。」
ガラッとホテルのドアを開けてしぐれくんが入ってくる。
「ヒスイ、言える範囲でいいから。」
「本当にしぐれくんは優しいなぁ。じゃあ、お言葉に甘えて。」
本当に優しいんだよなぁ、しぐれくんは。
「じゃあ、早速話すね。僕の「カコ」について。」
「うん。」
「まず最初に、僕は虐待を受けてた。」
言葉を続ける。
「暴力が主に。性行為とかそういうのは特にされてない。毎日なんのために生きてるのか分かんなくって、なんのためにここにいるのか、この地面を踏んでいるのか、意味がわからなくて。」
「でもね、ある日、とある配信者に救われたんだ。」
「配信者、、、?」
しぐれくんが聞く。
「そ う。名前はね、、、」
shigure
「!」
ハッとしたような表情になるしぐれくん。
「気づいた?俺さ、しぐれくんに救われたんだ。」
そうー。shigureは、しぐれくんの前アカ。
「しぐれくんの配信とか、ツイートを見て、なんか俺みたいだけど俺と全然違うところに惹かれたんだ。」
「キラキラしてるのに、キラキラしてなくて。そんな不思議な配信をする人でさ、なんか嬉しくて。それから僕は行動しなきゃ、と思って行動して、虐待も乗り越えてー今は、こうやって楽しいことを全力でやれてる。」
「ありがとう、しぐれくん。」
「しぐれくんは僕に助けられてばっかりって言ってるけど俺のほうがしぐれくんに救われたんだ。」
「本当にありがとう。今では、そこで盗み聞きしている素敵な6人の仲間もいるしね。」
ニヤッと言う。
「!?」
今しぐれくんは、え、まじ!?って顔してる。
「さすがヒスイ。」
「盗み聞きしててゴメン。」
「おれも、、、。 」
「よく気づいたね。」
「バレてないと思ってたのに、、、。」
「自信あったんだけどなぁ。」
次々に言うメンバー。
「たしかー虐待を受けてるってとこからだよね。」
「はい、そうです。」
素直すぎて逆に笑えてくる。
「別に気にしてないよ。いつか言わなきゃいけないことだったし。しぐれくんみたいに。」
「そっか。」
「ねぇ、あのさ。」
珍しく葵が口を開く。
「どしたの?」
「なんでヒスイくんはカコを言おうとしたの?」
「それはねー。僕に人生を救われたって言ってくれたリスナーさんがいたから。」
「へぇー」
「僕自身、目標達成したようなもんだし!」
みんなニコニコーとしてるけど、たった一人、どこか寂しそうな顔をしていた。