テラーノベル
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「中西さん、しばらくずっと雨戸が閉まったままね…」
クリスマスも終わり、今年もあと数日となった日。
千愛が寝たあとのリビングでニュースを見ながら、なんとなく夫に言ってみた。
「帰省じゃないか?」
「クリスマス前から実家だったのかな。旦那さんだけじゃ、雨戸開けることもないね」
「たぶん。うちは例年通り、大晦日に秋山泊。3日にお義父さん達のところ。それでいいか?」
「うん。実家にも、そう連絡してある」
「一日は千愛が観たいって言ってた映画に連れて行く。ママはどうする?一緒に観るか、モール内の映画館だからゆっくりと甘いもの食べたりショッピングしてもいい。また忙しくなるからな」
ママはどうする?
以前なら“来るな”という意味だっただろう。
でも今は、夫が私に選択肢を与えてくれているとわかるから、とても穏やかな気分だ。
「セール中だから、ショッピングしようかな。千愛の服とか…」
「ママの好きなものを先に探せば?セールって聞いたから、プレゼントする」
そう冗談めかして笑う夫も、とても穏やかだ。
別行動をしたって、もう自分だけ置いて行かれるという感情はなかった。
「映画は予約しておかないと、無理かも…」
と、思い出したように動き始め、テレビをつけたままスマホを探す夫に、私はダイニングテーブルを指さした。
夫は、家でほとんどスマホを使っていない。
使っていても、ゲームしているか動画を見ているとわかるような使い方で、持ち歩くことはない。
今も私の隣に戻って映画予約を始めた夫の隣から立って、私は二階へ、寝室の暖房をつけに行く。
途中、階段の窓をそっと開けて、真っ暗な隣の家を目にした。
コメント
1件
パパも気づきがあったよね。 パパの心の内はほんとはどうなんだろう?と勘ぐっちゃいけないけど気になるなぁ。 でも2人とも自然に接してるように感じる☺️