第5話:冗談じゃねーよ、バカ
視点:小林 燈稀(こばやし とうき)
教室の片隅で、俺は尚永と一緒に笑ってた。
最近、斗亜の様子が妙に気になっててさ。
「おい尚永、あいつマジで湊斗のこと好きなんだな。」
「見てりゃわかるよな。あの口調、全部照れ隠しだろ。」
「そうそう。あのツンツンした態度の裏で、めっちゃ気にしてるのが丸わかりだ。」
俺たちは笑いながら話してたけど、内心はちょっと複雑だ。
斗亜があんなに不器用なの、少し可哀想に思えてきた。
「まあ、俺も尚永のこと気になってるんだけどな。」
つい本音が漏れたけど、尚永は笑って流した。
「お前もかよ、マジで恋の嵐だな。」
笑い合いながらも、俺は思う。
誰かのことを本気で想う気持ちって、案外かっこいいんだなって。
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