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#夢主
そら
255
みゅう

68
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本部へ戻った翌日。
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何も変わらない。
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少なくとも表面上は。
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兵士長は兵士長。
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分隊長は分隊長。
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仕事は山積み。
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報告書もある。
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訓練もある。
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壁外調査の準備もある。
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だから。
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周囲から見れば。
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何も変わっていないはずだった。
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だが。
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「兵士長今日なんか怖くないな」
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若い兵士が呟く。
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「分かる」
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「昨日報告書ミスったのに怒鳴られなかった」
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「俺なんかコーヒーこぼしたぞ」
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「生きてるの奇跡だろ」
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全員頷く。
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確かにおかしい。
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兵士長の機嫌が良い。
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異常事態である。
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さらに。
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食堂。
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「兵士長」
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部下が声をかける。
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「何だ」
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返事。
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普通。
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だが。
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普通すぎた。
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「……優しい」
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「は?」
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「いえ何でもありません」
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兵士は逃げた。
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リヴァイは理解できない。
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自分はいつも通りだ。
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本気でそう思っている。
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しかし。
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団長室では。
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「見た?」
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ハンジが笑いを堪えている。
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向かいにはエルヴィン。
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「見た」
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「機嫌良すぎる」
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「そうだな」
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「分かりやすいなぁ」
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二人とも知っている。
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何が原因か。
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何年も片想いしていた男だ。
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最近はもう隠す気がないのではないかと思うほど分かりやすい。
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もっとも。
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本人だけは気付いていない。
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「幸せそうで何よりだ」
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エルヴィンが静かに言う。
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ハンジも珍しく同意した。
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「十五からだもんねぇ」
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長かった。
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本当に。
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だから。
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二人とも温かい目で見守っていた。
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数日後。
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事件が起きる。
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昼休み。
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食堂。
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〇〇が突然言った。
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「髪切ろうかな」
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沈黙。
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周囲が固まる。
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「え?」
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「なんで?」
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「長いし邪魔なんだよね」
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現在。
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〇〇の髪は胸の下近くまで伸びていた。
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東洋系の艶やかな黒髪。
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兵団内でも有名だった。
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「もったいない!」
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「絶対反対!」
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「その髪好きなのに!」
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なぜか兵士たちが騒ぐ。
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〇〇は苦笑した。
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「私の髪なんだけど」
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正論だった。
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しかし。
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その話はあっという間に広まった。
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兵舎中に。
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「分隊長が髪切るらしい」
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「嘘だろ」
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「長い髪綺麗だったのに」
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「ショックだ」
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まるで一大事件だった。
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そして。
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その日の夕方。
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本当に切った。
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ばっさり。
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顎より少し下。
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かなり短い。
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本人はすっきりしていた。
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「軽い!」
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大満足。
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しかし。
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本部へ戻った瞬間。
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廊下が静まった。
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兵士たちが固まる。
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全員。
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言葉を失う。
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「……」
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「……」
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「……」
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〇〇が首を傾げる。
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「変?」
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次の瞬間。
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「可愛い」
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誰かが呟いた。
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「めちゃくちゃ似合う」
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「前より好きだ」
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「やばい」
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「反則だろ」
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騒然。
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さっきまで反対していた連中が掌を返した。
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完全に。
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しかも。
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短くなったことで。
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顔立ちの美しさが際立った。
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大きな瞳。
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柔らかい笑顔。
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首筋。
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今まで見えなかった部分が見える。
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結果。
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人気がさらに上がった。
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最悪だった。
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リヴァイにとって。
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廊下の向こう。
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複数の男たちに囲まれている〇〇。
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「似合います!」
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「すごく綺麗です!」
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「今度お茶でも!」
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増えている。
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明らかに。
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リヴァイは無言だった。
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無言のまま近付く。
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すると。
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兵士たちは反射的に道を開けた。
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本能だった。
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命が惜しい。
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〇〇が振り向く。
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「あ、リヴァイ」
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笑顔。
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いつもの。
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リヴァイは一瞬だけ髪を見る。
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確かに驚いた。
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少しだけ。
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本当に少しだけ。
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長い髪も好きだった。
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十五歳から見てきたから。
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だから最初は寂しさもあった。
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だが。
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数秒後。
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そんな感情は消えた。
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似合っていたからだ。
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悔しいくらい。
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「どう?」
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〇〇が聞く。
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周囲が耳をそばだてる。
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兵士長の反応。
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全員知りたい。
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リヴァイはしばらく見つめて。
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そして。
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「悪くねぇ」
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それだけ言った。
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短い。
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だが。
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〇〇は笑った。
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十分だった。
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一方。
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遠くから見ていたハンジは叫んだ。
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エルヴィンは静かに笑った。
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十五歳から見ている。
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だから分かる。
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今の兵士長は。
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世界で一番幸せそうだった。
コメント
1件
ああ、もうもう、リヴァイさんったら!「悪くねぇ」って……その一言に全部詰まってるじゃないですか。周りの兵士たちが固まって、掌返して、そして最後にリヴァイさんが一言で持っていく。この温度差、めちゃくちゃ好きです。特にハンジさんとエルヴィン団長が遠くからほっこり見守ってる構図がもう…編集者としてもニヤニヤが止まりませんでした。みゅうさん、この距離感の描き方、本当に繊細で素敵です🌷