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紅緒「私は今から部活ですが、海音さんはどうしますか?一年生なので誰でもどの部活でも歓迎してくれるかと。私の所属している編み物部もおすすめですよ!」海音「大丈夫。部活とか青春ぽくって苦手だから。ここで紅緒の部活終わるの待ってるよ」
紅緒「分かりました!では、なるべく早く終わらせて来ます!」
「紅緒」は部活へと行き、「海音」は教室で紅緒を待つ。
「今日、夕ご飯ピーマンの肉詰めなんだよ〜」「お母さんって口うるさいよね」「まぁでも心配してくれてるんだよ」「私はお父さんが嫌。だって……」
同じく、まだクラスに残っていた女子たちの声が聴こえる。
海音「…………」
みんな親がいて、大切にお互い感じあってる。
優しく心配してくれる親。
暖かく迎え入れて帰れる場所がある人たち。
私は……
海音「うっ……ぐっ!……」
気持ち悪い……
《どうしてこんな簡単な問題も解けないの!?!?》《あなたは当主になるために生まれてきたのよ》《ここまで育ててやった恩を仇で返すつもり?!》《あんたなんてもう》
《いらない》
海音「うっ……う……気持ち悪い……」
このままじゃダメだ……
保健室に向かおう
海音は離席して、保健室に向かう。
海音「(ふらふら……する……凄く気持ち悪い)」
「うっ……あ」
バタン
海音は倒れてしまった。
???「!、大丈夫ですか?……気を失ってる……!早く保健室に行かなきゃ」
その────若芽色の髪の少年は海音を抱き抱えると急いで保健室に向かった。
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海音が目を覚ますと、白い天井がみえた。どうやらベッドの上にいるようだった。
???「あっ覚めた?」
海音「あなたは……?」
???「おれの名前は小春だ。廊下で倒れてたから保健室に連れて行ったんだ。」
海音「あなたが?」
小春「まぁ一応な。今保護者の人呼んでるから、もうすぐお迎えが来ると想うよ。紅緒ちゃんは帰らせた」
海音「そう」
小春「……ねぇ、海音ちゃん。少し寝言で聴いたんだけど……何か悩んでること……あるの?」
海音「…………」
小春「あっ言いたくないなら良いんだけど、でもさ。海音ちゃんは優しいね」
海音「……は?」
小春「寝言で言うくらい相手のことを考えてるってことでしょ?例えその人との想い出が自分を痛めつけるだけのものだとしても、それでも海音ちゃんは抱える方を選んだ。それは凄く優しい証拠だよ」
海音「…………ぐずっ……そん、な……ことない」
海音は涙が出てきた。
小春「海音ちゃんは良い子だね。頑張ってて偉いよ」
「小春」は海音の頭を撫でる。
海音「…………ありがと、う」
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あれから、小春は海音のクラスによく行くようになった。
紅緒「あなたが小春さんなんですね。先日は海音さんのこと助けて下さってありがとうございます」
小春「気にしなくて良いよ。海音ちゃん辛そうにしてたし」
海音「そんなことないよ。ありがとう」
小春「良かったら一緒に帰らない?三人で!」
紅緒「……私は良いです。実は今日緊急のミーティングがあるので」
海音「え?さっきは何も無いって……」
紅緒「緊急なので!」
海音「は、はぁ」
小春「じゃあ帰れる時一緒に帰ろうね!紅緒ちゃん。」
紅緒「はーい!……うふふっ」
紅緒は少しはにかんでいる。そうとは知らず。海音、小春は一緒に帰ることになった。
放課後
小春「帰ろっか?海音ちゃん」
海音「うん」
二人は通学路を進む。
小春「海音ちゃんって何か趣味とかあるの?」
海音「特には無い」
小春「おれはサッカー好きなんだ。いつかレギュラーになりたいし!」.
海音「好きなものがあるのは良い事だよ。でもまだ高一だから、ゆっくり頑張ってね」
小春「へへ。ありがとう」
こんな感じで、海音と小春は一緒に帰ることが増えていった。紅緒はしばらく部活がある続くため、一緒には帰れないと言って。その真意に小春自身も海音自身も気づくことはなかったが……
そんなある日……
「あれ?小春じゃん」「何お前今更普通の高校生してるの?」「しかも彼女持ちかよ」「こいつめっちゃ」
「「クズなのに」」
小春「…………」
海音「…………」
「あっ君やっぱり知らなかったんだ〜」「あのさこいつまじでクズでさ!」「色んなやつに暴力振るって」「暴言も吐いてて」
海音「だから何ですか」
「「え?」」
小春「……海音……ちゃん?」
海音は一呼吸して、話し出す。
海音「彼の過去が何であれ、どれだけ人を傷つけた人であれ、彼に私は助けられました。彼にはちゃんと優しさや暖かみがちゃんとある。彼は今頑張って生きようとしてるんです。それに私は彼の今までの生き方が恥ずかしいだなんて想えません。だってその生き方があったから気づけるものや分かったことがあったわけで、その過去は彼を作る上で必要不可欠なものだから。だから、彼の今までの生き方、そして今とこれからの生き方を侮辱することは私が許しません。……分かりましたね?」
小春「!」
《わたしは小春くんの生き方は決して間違いだけだったなんて想えない。小春くんの生き方は、とても繊細で淋しくて心細い気持ちを抱えていた生き方だったんだと想う。その生き方は決して無駄じゃない。沢山人を傷つけて、苦しめて、迷惑かけて、そうしないと分からない気持ちや気づけない考え方もあると想う。》
雨花さんと
同じようなことを……
最後ドスの効いた声で話を終えた海音。小春の周りにいた者たちはいそいそと行った。
海音「ふん。意気地無し」
小春「…………海音ちゃん」
海音「何?」
小春「……ありがとう」
海音「いいえ」
ドクン
小春「(ま、まずい)」
ドクンドクン
小春「(おれ……意識してる……)」
海音「どうかした?小春」
小春「べ、別に」
二人はそれぞれの家に帰って行った。
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海音「ふぅ……疲れた」
海音は、ベッドの上に倒れ込む
最近、ずっとあの言葉が木霊する
《例えその人との想い出が自分を痛めつけるだけのものだとしても、それでも海音ちゃんは抱える方を選んだ。それは凄く優しい証拠だよ》
《海音ちゃんは良い子だね。頑張ってて偉いよ》
海音「////、私が欲してた言葉をあんな簡単に口にする人がいたなんて……」
あんな言葉
誰も口にしてはくれないって思ってたのに
あんなにあっけらかんと
でも適当な訳でもなく
あんな言葉が言えるなんて
海音「不思議な人……」
海音、小春はそれぞれの想いを胸に抱き、暗闇に散る星でできたプールに溺れるように、相手のことを考えて、家で過ごした。
【続く】