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それからまた1週間後
大飛 「優太ー」
優太 「はーい」
大飛 「よ。」
優太 「…来た。」
大飛 「だからその言い方やめろって。」
大飛はそう言って花を渡してきた。
小さなオレンジ色の花が沢山集まっていた。
優太 「これ何?」
大飛 「カランコエ。」
優太 「また覚えにくいやつ。」
大飛は笑った。
大飛 「花言葉、あるよ。」
優太 「…でた。」
大飛 「沢山の小さな思い出。」
優太 「思い出…。」
その時大飛は思い出したように言った。
大飛 「あ、そうだ。」
優太 「ん?」
大飛 「さっき先生と話した。」
優太 「先生?」
大飛 「そ。最近体調いいんだって?」
優太 「まぁ、最近は。」
大飛 「だから、外行ってもいいって。」
優太 「……え?」
大飛 「病院の外。」
優太 「え、ほんとに?」
大飛 「誰が嘘なんかつくかよ。」
優太 「確かに。」
大飛 「だからさ、学校行かね?」
優太 「…え!?」
大飛 「俺が車椅子押すから。」
優太 「…無理でしょ。」
大飛 「なんで?」
優太 「俺、学校行ったことないし。」
大飛 「だからだろ。」
大飛は当たり前のように言った。
大飛 「1回くらい行こうぜ。」
優太 「……」
大飛 「クラスのやつらもいるし。」
俺は少し黙った。
窓の外を見る。
すると大飛はカランコエを見ながら言った。
大飛 「塵も積もれば山となるって言うから」
優太 「うん。」
大飛 「小さい思い出でも、」
大飛 「沢山作れば、最高の思い出になるよ」
俺は少し笑った。
優太 「大飛さ、」
大飛 「ん?」
優太 「お前、ほんと変。」
大飛 「知ってる。」
大飛は立ち上がった。
そして病室の隅にある車椅子を軽く叩いた。
大飛 「どうする?」
優太 「…… 」
大飛 「優太。」
優太 「……行く。」
大飛はすぐに満面の笑になった。
大飛 「よし。」
俺はその笑顔を見て思った。
大飛とならどこでも行けるんじゃないか。
そして次の日
大飛 「寒くない?」
優太 「うん、大丈夫。」
大飛 「あともう少しで着くよ。」
そう言って車椅子に乗ってると校門が見えた
優太 「……ここが、学校か。」
大飛 「そうだよ、優太の学校。」
校門をくぐると何人かの生徒がこっちを見た
生徒 「え?大飛の知り合い?」
生徒 「初めて見る、誰?」
生徒 「…車椅子、?」
ひそひそ声が聞こえた。
俺は少し緊張していた。初めての学校に。
でも大飛は何も気にしていなかった。
そのまま教室の前まで。
大飛 「…着いた。」
ドアを開けた。
その瞬間、教室は静かになった。
みんなこっちを見ている。
すると先生が言った。
先生 「おー!佐藤来たか!
みんな佐藤優太だ。」
生徒 「え、?佐藤って…」
生徒 「初めて見た…」
でも次の瞬間
生徒 「おはよう!」
生徒 「会いたかった!」
生徒 「来てくれたんだ!」
みんなが笑って声を掛けてくれた。
優太 「学校ってこんな所なんだ…」
大飛 「そうだよ。」
そう言って笑った。
そして窓の外を見ながら言った
大飛 「優太の青春、最高っしょ!」
優太 「…悪くないね。」
初めて学校に行って、
みんなに迎えられて、
俺は幸せ者だ。
と感じる反面
1年も持たない自分が虚しくなった。
それでも今日学校に来てよかったと思えた。