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kurumi
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あのニュースから1年が経とうとした頃、彼は捕まえられた。
「では、この子をお願いします。」
そう言って国の人は異能力人を突き出す。
ボロボロな彼の手首には、犯人が捕まったように手錠がかけられている。保護というより、捕獲に近い。
父さんは彼を管理部屋に連れて行くと、真一に後は任せる、と言って父さんは管理している人の所に行った。
管理部屋は1人部屋の個室だった。まあまあ広いその部屋はふかふかのベット、色々な情報が見れるタブレットから、ゲームまで、なるべく快適に過ごせるようにされてあった。
他の家にはない、個室にシャワーというのは、脱走防止のためである。
内側からは人間にしか開けることが出来ないし、ドアの出入口にはセンサーが付いていて、異能力人だけに電流が流れる仕組みになっていた。
「失礼します……」
ドアを開けると待っていたかのように走って出ようとする彼。その瞬間バチッと音がして、電流が流れた。
「い゙っ……!!」
相当な痛みが走ったのか、手を押さえてうずくまる。
「大丈夫….?」
俺はうずくまったまま動かない彼に近づく。しかし、彼は近づいた俺を突き飛ばし、涙をボロボロとこぼす。
「ごめんね、俺じゃなんとも出来ないんだ。」
泣き止むまで僕はそばにいる事にした。申し訳程度に今の俺が出来る事だった。
「お前….誰?」
しばらくして、泣き止んだ後の一声だった。緊張しているのか、声が若干震えている。
驚かせない様にその場から動かず口を開いた。
「中島真一、14歳。…..一応、君の管理人になってる。君は?」
「…..深瀬彗。お前と、同じ歳。」
「どうやって地球に来たの?」
深瀬はしばらく考えた後、首を横に振った。
「分からない…生年月日と名前以外、何も。どこで生まれたのかも、なんでここに来たのかも。」
ふと何かに気づいたかの様にじっと僕の目を見つめる。
「…..どうかしたの?」
何も言わずにジリジリとこちらに寄ってくる。
僕の前髪をそっと上げて、綺麗、と呟いた。
「深瀬….?」
「ぁ….中島君は、綺麗だね。」
上げた前髪を戻し、 にこっと悲しそうに笑う。
「え、何が…?」
よいしょ、と俺の声が聞こえていないかの様に座り直した。
「それで、俺はどうすればいいの?」
吹っ切れた様な声色だった。記憶が無いなら、どこにいても同じだと思ったのだろうか。
「….定期検診があるから、それを必ず受けること。それと、ここから逃げないこと…かな。それ以外だったら何しても大丈夫。」
「意外と、快適なのかなぁ。」
周りと違うというだけでこんな所に閉じ込められ、いつ出れるか分からないというのに、笑っていられる深瀬が不思議で仕方なかった。
「多分ね、じゃあまた夜にご飯持ってくるから、また」
「うん、またね」
コメント
1件
おお、第2話、読み終えました……! まず、あの「バチッ」と電流が走るシーン、すごく生々しくてゾッとしました。「保護」と言いながら「捕獲」に近い、という冒頭の一文がもう全てを物語ってますね。深瀬くんが「綺麗だね」って真一の前髪を上げて悲しそうに笑うところ、あの距離感がすごく気になる……。記憶がないのに笑っていられる彼の方が、逆に不気味で、でも可哀想で。 制度の歪みと、少年同士の温度差。設定が静かに効いてきて、続きが気になりすぎます🐰。