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二宮×大森
にのさん少し悪めの立場になります!
苦手な方は回れ右!
side 藤澤
二宮さんは、距離の詰め方が上手い。
それも無意識みたいな顔でやるから厄介だ。
今日はたまたま同じ番組だった。
控室。
元貴は楽しそうに笑っている。
「にのさん、いつも優しいですよね!」
「優しい? そうかな」
二宮さんはふわっと笑う。
声も仕草も柔らかい。
でも距離が近い。
椅子の背に腕を回す。
元貴の肩に自然に触れる。
「僕、にのさんといると安心するなぁ」
無意識。
完全に無邪気。
その言葉に、僕の心臓が嫌な音を立てる。
(安心……?)
若井は黙って見ている。
表情は穏やか。
でも目が静かに細い。
収録後。
元貴は二宮さんと並んで歩いている。
少し前。
僕と若井は後ろ。
二宮さんの声が聞こえる。
「俺さ、元貴の素直なとこ好きなんだよね」
僕の指がぴくりと動く。
元貴は笑う。
「え、急にどうしたんですか」
「思っただけ」
さらっと言う。
嘘がない顔。
それが怖い。
帰りのエレベーターで 偶然、
二宮さんと元貴だけになった。
僕と若井は数分遅れた。
閉まる扉。
僕の胸がざわつく。
(嫌だ)
理由は分からない。
でも嫌だ。
side 大森
エレベーターの中。
にのさんが静かに言う。
「元貴、最近幸せ?」
僕は少し驚く。
「え?」
「楽しそうだけど、無理してない?」
優しい声。
僕は少し考えて。
「無理は、してないです」
本当だ。
若井も涼ちゃんも優しい。
大切にされてる。
でも、 にのさんはさらに踏み込む。
「俺はさ、元貴が一番でいてくれる関係も
悪くないと思うんだよね」
僕の心臓が跳ねる。
「一番?」
「うん」
ほわっと笑う。
「俺は一人をちゃんと甘やかしたいタイプ」
その言葉は、甘い。
重くない。
でも確実に刺さる。
「元貴、甘やかされるの好きでしょ?」
図星。
僕は少し目を逸らす。
「……嫌いじゃない、ですけど」
にのさんは距離を詰める。
壁と僕の間。
でも触れない。
触れないからこそ、余裕がある。
「俺なら、全部受け止めるよ」
エレベーターが止まる。
扉が開く。
若井と涼ちゃんも後から合流。
空気が一瞬で変わった。
side 藤澤
エレベーターを降り、二人との再会。
二宮さんはにこっと笑う。
「おつかれ」
何もなかった顔。
でも、 僕は分かる。
(……この人絶対狙ってる。)
夜、 三人の部屋。
元貴は楽しそうに話す。
「にのさんね!今日も優しくてっ」
僕の胸がきゅっとなる。
若井は静かに聞いている。
「僕がね、にのさんといると安心する
って言ったら、すごい喜んでくれて」
僕の中で何かが揺れる。
「……安心?」
つい聞き返す。
元貴は無邪気に頷く。
「うん、ほわほわしてるし」
若井が静かに言う。
「俺たちは?」
元貴がきょとんとする。
「え?」
僕は優しく笑う。
でも目が少しだけ必死。
「僕たちといるのも、安心してる?」
元貴は即答する。
「もちろん」
迷いがない。
でも。
その“もちろん”が、少し曖昧に感じる。
side 大森
数日後。
にのさんからの連絡。
『今度、二人でご飯どう?』
僕は深く考えずに返事をしようとする。
その手を、涼ちゃんがそっと止める。
「二人で?」
声は優しい。
でも緊張している。
僕は首を傾げる。
「うん、ダメ?」
若井が静かに言う。
「じゃあ俺も行く」
空気が少し固まる。
僕は困った。
「え、、でもにのさん、僕とって」
涼ちゃんが言葉を重ねる。
「僕も行きたいなぁ。」
目が真剣。
僕は初めて気づく。
二人の視線が、少し怖いくらい真っ直ぐだ。
「……二人ともどうしたの?」
若井が低く言う。
「元貴が取られそうだから」
静か。
でも本音。
僕の胸が跳ねる。
「え?」
涼ちゃんが続ける。
「二宮さんは本気で元貴のことを見てる」
僕は否定しかける。
でも。
エレベーターの中の言葉が蘇る。
“俺なら全部受け止めるよ”
少しだけ、心が揺れた。
それを二人に見抜かれてる気がして。
「僕は、二人のだよ、?」
少し焦った声。
若井が近づく。
「それでも怖い」
涼ちゃんも言う。
「僕たち、優しいつもりではいるけど、
独占欲もあるんだよ」
その言葉に、僕の目が潤む。
「僕、取られないよ」
若井が僕の頬に触れる。
「じゃあ二人きりで会わないで。
できるだけでいいから」
優しい命令。
僕は少し考えて。
そして頷く。
「うん」
涼ちゃんが小さく笑う。
でもまだ不安は消えない。
後日。
にのさんと廊下で会う。
彼は微笑む。
「ご飯、三人で来るって?」
ほわほわ。
でも目は鋭い。
「……俺、警戒されてる?」
僕は困って笑う。
「そんなことないですよ」
だけど後ろから。
若井が言う。
「あります」
涼ちゃんも並ぶ。
にのさんと目が合う。
静かな火花。
にのさんは笑う。
「本気なんだね」
若井は頷く。
「俺たちは三人で一つなんで」
涼ちゃんも続ける。
「崩す気なんてないですよ」
にのさんはしばらく僕たち三人を見る。
そして。
少しだけ寂しそうに笑う。
「そっか」
それでも最後に言う。
「でも、元貴が迷ったら俺は待ってる」
甘い余韻を残して去る。
僕は二人を見る。
「迷わないよ」
涼ちゃんが優しく抱き寄せる。
「揺れたらちゃんと言って」
若井が額を合わせる。
「俺たちで止める」
その言葉で僕はやっと気づく。
ほわほわの優しさも。
甘い一番も。
魅力的だった。
でも。
今、心臓が一番強く鳴ってるのは。
二人の腕の中。
「僕は、ここがいい」
若井と涼ちゃんが同時に笑った。
「知ってる」