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#夫婦
臣桜
1
#主人公最強
杯雪乃
221
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妻の洋子が亡くなった。
交通事故との事だが、ドライバーが言うには『突然飛び出てきた』らしい。
妻のお腹には、妊活に励んでやっと授かった赤ん坊がいた……はずだったが、どうやら彼女は妊娠していなかったと死後に知った。
子供ができたなんて、嘘で言う事じゃない。
けれど彼女は悪い冗談を言うタイプではないので、何かしらの思惑があったのだろうと思う事にした。
洋子とは同じ会社に勤めていて、俺の一目惚れから始まり、告白して交際し、結婚に至った。
妻は穏やかで優しい女性で、物静かな印象だが意外とガッツがあり、休日になると登山やボルダリングに精を出す、アクティブ派だった。
俺はそこまで本格的なアウトドア派ではないが、キャンプやBBQは好きなので、彼女と一緒に出かけては自然を楽しんだ。
もうそれもなくなるのだと思うと、心の奥にポッカリと穴が空いた気持ちになる。
葬儀を開くため、両親の助言を借りてあちこち奔走した。
洋子の両親はとうに他界していて、彼女にプロポーズした時は『こんな私を好きになってくれてありがとう』と涙を流していた。
少し前に彼女はたった一人の弟も亡くし、『あなただけはいなくならないで』と、寂しげに言っていた。
同僚で親友の紗栄子がいるじゃないかと言うと、彼女は『そうね』と寂しげに微笑んでいた。
職場結婚をしたあと、妻は会社を辞めた。
彼女が言うには、これまで自分のためにあまりお金を使わず、両親の遺産もあるし、しっかり貯金をしてきたので、子供が生まれたあとはしばらく育児に向き合いたいとの事だ。
両親を喪った彼女だからこそ、余計に〝幸せな家庭〟というものへの憧れが強かったのかもしれない。
葬儀が終わってしばらくしたあと、一人暮らしになってしまった自宅に一通の手紙が届いた。
差出人は――、洋子。
「は……?」
目を疑ったが、封筒の筆跡は間違いなく彼女のものだ。
コメント
1件
うわ、これは…冒頭からもう心臓掴まれました。奥さんが亡くなった悲しみ、しかも妊娠の嘘(?)が後から発覚する不気味さ、そしてラストの手紙。「は…?」って声出ましたよ。筆跡が間違いなく本人ってのが、もうゾワッと来る。これは何か妻の秘密が隠されてるやつだ…続きが気になって仕方ないです。