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ゆうな
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#みじかめです、!
夢仁羽
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コメント
3件
みぅです🤍 今回のエピソード、どちらかというとななもり視点とロゼ視点が交互に重なる構成がすごくよかったです。特にロゼたちの世界観、息が詰まるような生活がリアルに伝わってきて苦しかったけど、それでも“生きてる”って感じがして…。ゆうなの笑顔が崩れた瞬間、胸がぎゅってなりました。パパ活の子も、何か背負ってそうで気になる…。次の話も気になります🌙
Sideななもり
交番に戻った俺は、さっそく警察署のモニター室から持ち帰った動画データをプロジェクターで壁に映し出した。
デスクの前には、莉犬くん、さとみくん、らいとくんの3人が真剣な表情で座っている。
「昨日の映像なんだけど、公園付近のカメラでゆたくんの言っていた特徴に似た子を見つけたよ。大通りを歩いていたのは、17時前だね」
画面に映る赤い髪の少年を指差すと、莉犬くんがハッとしたように身を乗り出した。
「あ、その時間って、俺となーくんでひなたびに向かっていた時間じゃない?」
「そうだね、ちょうどそのくらいだったと思う」
「あの時、俺たちが店へ走っている途中、遠くで心音くんとLapisくんが一緒にいるのを見たんだ! 大通りの近くだったと思うから……もしかしたらその時、この子はすぐ近くで犯人と一緒にいたのかも」
莉犬くんの推測に、らいとくんが腕を組んで考える素振りを見せる。
「それなら、大通り付近の店から映像をもらってきたほうが早いんじゃ」
本部や他の警察官にも協力を要請し、俺たち4人は手分けして大通り周辺の聞き込みへと向かうことにした。
ーーー
あの後、様々な店を回り、地道な聞き込みを続けていくうちに、少しずつ情報が集まってきた。
飲食店、キャバクラ、そしてネットカフェ。
大通りで客引きをしていた人によると、もの凄く印象的な見た目をした少年だったため声をかけたが、隣にいた父親らしき男性に遮られたのだという。
「すぐそばのカフェに入っていくのを見た」という証言をもとに、俺たちはその店の防犯カメラの映像を確認させてもらうことにした。
交番のモニターに新しく手に入れた映像を映し出すと、らいとくんが不思議そうに呟いた。
「それって……ただ親がやばい人だった、ってだけやないと?」
「それは、違う可能性が高いかな。この後の映像を見ればわかるよ」
少し早送りしながら画面を注視する。
そこには、店の少し奥まったスペースで、楽しそうに談笑する二人の姿が映し出されていた。どちらもニコニコと笑顔を浮かべていて、一見すれば仲のいい親子にも見える。
ところが、1時間ほど経った頃だった。
男の方がカバンから財布を取り出し、少年に封筒を手渡した。
「これって……」
らいとくんが息を呑む。
少年はその封筒を受け取ると、ほほ笑みながらで手を振った。
そして、男が会計を済ませて店を出ていった
――その時。
少年の顔から、それまでの楽しそうな笑顔が一瞬で消え去った。
まるで、張り付けていたお面が剥がれ落ちるかのように。
少年は冷え切った表情のまま、スマホを確認し、足早に店を後にしていった。
「店での映像はここまで。この後、近くのネットカフェに数時間滞在した後、どこかへ移動したみたいだよ」
「パパ活ねぇ……」
らいとくんが小さく呟く。
「きっとこの子は、誘拐事件そのものとは無関係で、あの男と食事をしていただけなんだと思う。お金を受け取ったり、一緒にいる時だけ笑顔を見せていたところから考えても、男から金銭的な援助を受けて生活していると見ていいはず」
俺の言葉に、莉犬くんが力強く頷いた。
「ゆたたを助けてくれた優しい子なんだから、絶対に悪い奴じゃないよ! 今もあの男の近くにいるかもしれないなら、一刻も早く見つけてあげたい」
莉犬くんも、俺と同じ考えのようだ。
「今回の目的は、誘拐未遂事件の犯人の逮捕。そして、男と一緒にいた少年の保護。これでいいかな。本部も人員を割いてくれると思うけど、俺たちも夜の見回りを増やして、一刻も早く解決しよう」
俺の呼びかけに、3人は引き締まった表情で同時に応じた。
「了解!」
ーーー
Side:ロゼ
空腹感に襲われて、薄暗い個室で目を覚ます。
毎日のようにおじさんたちからお金をもらっているから、ご飯を食べるだけの蓄えは十分にある。
でも、スマホの維持費だって必要だし、毎日の宿泊代も馬鹿にはならない。
相手からもらってばかりだと、いつかその相手が破滅して落ちていく。その時に共倒れになるのだけは絶対にごめんだ。
相手の話を聞き、観察し、どれだけの金額を引っ張れるか、常に頭の中で計算し続けなければいけない。
枕元で、スマートフォンが短く震えて光った。
画面を見ると、仲間からのメッセージだった。
『あまかなあそほ』
言葉にすらなっていない通知。
これを見ただけで、状況はすぐに察しがついた。多分、薬でラリってる。
この街には、オーバードーズやリスカへの依存から抜け出せない人が沢山いる。何か依存できるものにすがっていないと、精神が壊れてしまうような、ギリギリの世界。
すぐに電話をかけると、コール音が数回鳴って繋がった。
「もしもし、大丈夫?」
『もしもーし! らいじょうあよ〜』
ゆうなの声は、明らかに舌が回っていなかった。
「他に誰かいる?」
『いまわひとりー、……あはは!』
「今から向かうよ。どこにいるの?」
『うらどーり、あいつもくる〜』
「あいつって誰?」
『はるーとなお』
「わかった、すぐ向かうね」
通話を切り、すぐにネカフェを出る。
「裏通り」――俺たちがそう呼んでいる場所には、ODをしてぶっ倒れている奴や、薬がキマって正気を失っている奴がよく集まる。家出をしてきて、行くあてのない奴らも多い。
足早に向かうと、今回は俺が一番に到着したようだった。ふらふらとしながらも立っているゆうなに歩み寄る。
「ふらふらだね。どこか送ろうか?」
「ロ〜ゼぇ、いまあたし、すごいの……」
虚ろな目で笑うゆうなの後ろから、足音がして二人の姿が見えた。
「よう、今度は何されたんだよ」
「疲れちゃったもんね〜」
やってきたハルとなおが、ゆうなにそっと寄り添う。
その瞬間、それまで無理に笑っていたゆうなの顔が、一気に涙目で歪んだ。
「うぅ……キモいんだよ……っ!」
「アーシは、”どうぐ”じゃねーの……っ!」
「もう……やだよぉ……」
感情を爆発させたゆうなは、そのままその場にしゃがみ込んで激しく泣きじゃくった。なおがその背中にそっと手を添える。
「ゆうな……」
どれだけ耐えて、どれだけ我慢して生きていても、大人たちは容赦なく俺たちの心を壊していく。
苦しくても、何もかもを壊しながら生きていく。たとえここが、底なしの地獄だとしても。
仲間の中には、耐えきれずに自ら死を選んだ奴だっていた。
それでも、俺たちはまだ、不条理なこの世界で泥をすすりながら生きている。