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教師の朝は早い。というより夜は早く寝たいから朝に全部するため早起きをしている。…はずだが今日は何故かアラームが鳴らず、寝ぼけて見た時間に飛び起きた。

「あれ?!どこやったっけ?」

ズボラな性格のため、必ずなにかが見つからない。そんなことをしている時間が1日の内に30分くらいある気がする。

「あ、あった…。こんなとこに…。」

とりあえず簡単な朝食を済ませて、学校に行ってから作業することにする。今日は簡単なテストをしてもらうつもりの為、その準備を。




学校に着くと野球部生徒に大きな声で挨拶をされる。そして職員室にはもうほぼ他の先生方が到着していた。時計を見ると7時50分。8時から職員会議だ。素早く今日の準備を済ませ、キチンと座り直す。

「えー…はい、…おはよう御座います。」

いつも学校に1番のりの教頭先生。この人は昔、私が通っていた頃の体育教師だ。懐かしく赴任してきてなんとまさか!と思ったのも当然。

「すみません、保険室から連絡です…。最近…」

しかも、保険の先生も当時のまま。こんな偶然もあるんだなぁと思った。

一通り各お知らせや連絡が終われば、職員会議は終了。今日一日が始まる。


教室は相変わらず騒がしい。

でもこんな感じでも昔より半数近く生徒が少なくなっている。なので教室は広く余り、席の間隔も広い。村の人口自宅減っている為当たり前なのだ。

「みんなおはよう。」

「おはよーございます。」

「今日は1時間目テストするよー!」

間髪入れず、ブーイングの声。こんなとこは昔も今も変わりない。日直に進行をとらせて朝の会を済ませる。今日きてないのは1人。

赴任してきて1週間経つが、まだ見たことがない子だ。たしか…中村くん。

「今日も中村くん、来てないんやなぁ」

私が言うと、しーん。となった。

「アイツはもう来んやろ。なぁ?シンゴ。」

「しらん、どっちでもえぇわ。」

クラスの中心的男子が2人、ニヤニヤする。

ああ、あれですか。やめてほしいわ。こんな時、教師は頭を抱える。近いうちに中村宅に行こう。




2年1組。それが受け持っているクラス。そして2年生である。つまり学年でひとクラスしかない。生徒は18人。男子が8名、女子が10名。

実際中村くんが来ていないので17人で授業を行なっている。女子は比較的仲が良さそう(派閥はありそうだが)男子も来ていない中村くんを除き、仲良さそうに遊んでいるのを見かける。

小学校から持ち上がりクラスのためいじめなんて存在しないと思っていたが、甘かったようだ。


「じゃあ、みんな気いつけて帰りーよ。」

日直の号令でそれぞれが部活動に向かう。この学校は生徒全員が必ず部活動に入るそうだ。もちろん、中村くんも例外ではないようで美術部所属。とクラス名簿には記載されている。


さて、とりあえず電話してみようか。

就任してすぐの頃一度中村宅に電話をし、訪問してみたが誰も出ずで中村くん本人にはもちろん家族にすら会えなかった。


数回の呼び鈴のあと

「はい。」

若い男の子の声

「中村くん?すみません、私〇〇中学の武内ですけど…」

そこから中村くんとなんとか会えるか聞き出し、親が帰ってくるまでにきてくれたら…との事なので、正直親御さんとも話したかったが会いに行くことにした。





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