あいつがいなくなって、一年が経つ。
この一年はとても早かった。
急にいなくなったと知らされ、静かに後ろに倒れ、静かに泣いたあの日からもう一年が経ったのか。
一緒に散歩に行ったり、ご飯を食べたり、色々なことをしていたはずなのに、
気づいたら、目の前にはなにもなかった。
いつの間にか消え去ったあいつの存在は、俺の中でとても大きなものだった。
頑張って笑顔を作って、頑張って喋って、
俺の中で唯一心を許していたあいつは、どこへ行ってしまったのだろうか。
みんなの中で大きな存在だったはずなのに、いなくなったら、それと同時にあいつとの記憶はなくなっていくものなのだろうか。
俺だけはきっと、ずっと、覚えていたい。いや、覚えているはずだ。
今でも、手を伸ばせば触れるのではないのかと。
あのきれいな顔をして、笑顔になっていくあいつのことをまた笑顔で喋れるのではないかと。
あいつの下に俺は自分からは行かないように、あの時この選択を選んで良かったと思えるように、
俺は今日もあいつの事を考えながら、日々勉強に励む。
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