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(目黒蓮)「……」
(ラウール)「……」
(向井康二)「……」
(ラウール)「なんで……空を飛べたんだ。」
(向井康二)「それを調べても分かんないよな」
(向井康二)「千衣沙さんの知り合いに聞いても分かんないって」
(目黒蓮)「はぁ……」
(目黒蓮)「……なぁ、ラウール」
(ラウール)「ん」
(目黒蓮)「千衣沙さんの家族に聞いたのか?」
(ラウール)「うん、聞いたよ。」
(ラウール)「真夜中で稽古みたいなことをしてた。」
(ラウール)「剣術や武術の勉強をしてたらしい。」
(向井康二)「……それっていつから?」
(ラウール)「えーと……」
(ラウール)「小学2年生くらい……」
(目黒蓮)「守り人になった頃だな」
(目黒蓮)「そこから始めたんだな」
(向井康二)「ああ」(ラウール)「……」
(ラウール)「そういえば、お兄さん……」
(ラウール)「千衣沙のことを聞いてなかったな……」
(向井康二)「千衣沙さんの兄?」
(ラウール)「はい」
(目黒蓮)「ご両親は千衣沙さんのことを聞いたが」
(目黒蓮)「お兄さんには聞いてないってこと?」
(ラウール)「うん、お兄さん最近、忙しくて」
(ラウール)「聞きぞれてしまった。」
(目黒蓮)「そっか」
(目黒蓮)「お兄さんの連絡先を持ってる?」(ラウール)「うん」
(向井康二)「なら、今から聞けばええ」
(ラウール)「うん、そうする。」
ブルルル……
(帰郷千秋)「はい」
(ラウール)「あっ、もしもし」
(帰郷千秋)「あ、真都くん」
(帰郷千秋)「久しぶりね」
(ラウール)「お久しぶりです。」
(帰郷千秋)「どうした?」
(ラウール)「あの、千衣沙さんの事を聞きたくて電話しました。」
(帰郷千秋)「妹のことかい?」
(ラウール)「はい」
(帰郷千秋)「……」
(帰郷千秋)「一つだけ知っていることがある。」
(帰郷千秋)「……あの子」
(帰郷千秋)「……」
(ラウール)「どうしました?」
(帰郷千秋)「いや、大丈夫だ。」
(帰郷千秋)「ただ、ちょっと安心したんだ。」
(ラウール)「安心した?」
(帰郷千秋)「お母さんから真都くん達が妹の事を知ろうとしているという話が聞いてね。それを安心したんだ。」
(ラウール)「どういうことですか?」
(帰郷千秋)「……伝えても大丈夫かい?」
(ラウール)「……」
この時、俺はもう既に覚悟してた。
千衣沙は普通の人間じゃない。
何かを持っている人間だと思う。
(ラウール)「もう、覚悟しています。」
(ラウール)「千衣沙さんのことならなんでもいいのでどうかお願いします。」
(帰郷千秋)「……そっか、ありがとう」
(帰郷千秋)「伝えるよ。」
(帰郷千秋)「俺の妹、帰郷千衣沙は」
(帰郷千秋)「生まれ変わりなんだ。」