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(ラウール)「え、ちょ……」
それを聞いた途端、目の前に真っ暗になった。
(ラウール)「……」
(帰郷千秋)「真都くん」
(帰郷千秋)「真都くん!」
(ラウール)「はっ!」
千秋さんの声で意識に取り戻った。
(ラウール)「大丈夫です。」
(帰郷千秋)「そうか……」
(ラウール)「あの、千衣沙さんが」
(ラウール)「生まれ変わりって……」
(ラウール)「本当なんですか?」
(帰郷千秋)「ああ、本当だ。」
(帰郷千秋)「あの子は生まれ変わってきた」
(帰郷千秋)「いわゆる輪廻転生だ。」
(ラウール)「輪廻転生……」
聞いたことがある。
1度死んで、また生まれ変わり現世に戻る。
(ラウール)「……それが千衣沙さんが?」
(帰郷千秋)「ああ、この事は知ってるの俺しかない。妹から口止めされたから。」
(帰郷千秋)「いつか、私の事を知りたい人が出てきたら話してくれと言われてね。」
(ラウール)「……」
(帰郷千秋)「妹は前世の記憶を持っている。」
(帰郷千秋)「それについて話そうとしてる。」
(ラウール)「はい」
(帰郷千秋)「帰郷千衣沙、それは今の名前。前世の名前は博麗紗代子。」
(帰郷千秋)「博麗紗代子は博麗の神社の巫女として仕えていたらしい。」
(ラウール)「博麗紗代子……」
(帰郷千秋)「博麗の一族の末裔だった。」
(ラウール)「末裔?」
(帰郷千秋)「ある大災害でね、村の人々が全員、亡くなった。」
(帰郷千秋)「残された紗代子は神社と村を残し、旅を出かけた。」
(帰郷千秋)「……」
(帰郷千秋)「それ以降には話していない。」
(ラウール)「そうでしたか……」
(帰郷千秋)「このことを知った時、とても驚いたよ」
(帰郷千秋)「まさか妹が……」
(ラウール)「……」
(帰郷千秋)「俺が知れることはここまでだ」
(帰郷千秋)「おそらく、空を飛べるのは前世の能力が受け継いでいると思う。」
(帰郷千秋)「博麗の巫女は皆、空を飛ぶ程度の能力を持っていると言われていた。」
(帰郷千秋)「……真都くん」
(帰郷千秋)「妹のこと、よろしく頼むよ」
(ラウール)「……はい!」
(帰郷千秋)「じゃ、何かあったら言ってね」
(帰郷千秋)「またね」
(ラウール)「はい」
ブチッ……