11話の『はじめまして、運命。』の続きですっ!
リクエストありがとうございます🙇⤵︎
『はじめまして、運命の人。』
tg視点
tg(――運命の、Dom……?)
言葉の意味が、頭に落ちてこない。
ただ、あっとと名乗ったその人の声だけが、耳の奥に残って、響き続けていた。
胸の奥が熱くて、ぎゅっと苦しい。
涙がにじんで、視界がゆらぐ。
でも、彼の姿だけは、はっきり見えた。
その余裕そうな目。
微笑の奥に、何かを知ってるような、奥行きのあるまなざし。
tg(こんな人……知らない。けど――)
どこかで、会った気がする。
いや、きっと――どこかじゃない。
“ここじゃないどこか”で、触れたことがあるような。
at ……名前、教えてくれない?
tg っや、です、教えませ、んっ!
震える声でそう返したのに、彼はまったく動じなかった。
at そっか。じゃあ俺が“君”を見つけたままで呼ぶね
tg や、やめて……っ
喉が詰まって、呼吸が浅くなる。
言葉のひとつひとつが、優しいのに、深く刺さってくる。
まるで、心の奥を見透かしているみたいに。
at 大丈夫。まだ知らなくていいよ
その言葉は、呪文みたいだった。
“まだ”――その響きに、続きがあることを悟らされた。
そして、“知らなくていい”という優しさが、逆に怖かった。
tg っ、なんで……俺、あなたなんて知らない、っ
at うん、俺も君を“初めて”見た。けどね……
あっとが、少しだけ目線を落とし、俺の頬にかかる髪をそっと指先で払った。
その仕草が、あまりにも優しくて――どこか懐かしかった。
at 初めまして、Sub。君の反応だけで、もう分かる、運命って、こういうことなんだよ
tg っ、うそ…やめて…やだ、やだよ…っ
拒絶の言葉が、熱を帯びて震える。
けれど、心のどこかが、既に彼に惹きつけられている。
止められない感情が、胸の奥が疼いて、暴れていた。
at また会いにくるね
そう言って、彼はそれ以上何も触れず、ただその場を立ち去った。
まるで、何も起きていなかったかのように。
でも、違う。
全部が、変わってしまった。
息をしても、鼓動が速くなる。
涙が止まらない。
名前も知らない“あっと”という人に、初めて出会った放課後。
それが、俺の人生のすべてを変えていく始まりになるなんて――
このときの俺は、まだ知らなかった。
終わりですっ.ᐟ.ᐟ
んぽちゃぐ様からのリクエストでしたっ.ᐟ
他にもリクエストある方いたらコメント欄にお願いします🙇♀️
コメント
4件
わぁぁぁ///🫣💞 もうさぁ、好き。🤦♀️ 書くのうますぎっ!!リクエスト答えて くれてありがとぉ!!(*ˊ˘ˋ*)♡
Love💞( ˶ˆ꒳ˆ˵ ) 続き楽しみに待ってます ( *´﹀`* )