黄side
「そういえば、赤は剣道続けているの?」
「あぁ…ちょっと前に辞めちゃったんだよね…」
やっぱりそうなんだ
だって赤だったら
全国大会とか出るはずだもん
なのに会えなかった
連絡先を交換していたわけじゃないから、
生きているのかすらもわからなくて
毎日毎日不安だった
「僕ね、赤と会えなくて寂しかった」
「俺はね、いつか、また黄ちゃんと会える
って思って死なないように頑張った。」
そうだね。
赤の御両親って結構怖かったね
誰にも言わないでって
傷を見せてくれて、、
なんで言っちゃダメなのって聞いたら
“殺される”
って凄い泣きそうな顔されて、
それをまともに受け止めてしまって
何も行動できなかった。
いつか死んでしまうのではないか。
殺されてしまうのではないか。
会う度にほっとして、
いっぱいお話して
稽古が終わったら
またどうしようもない罪悪感と
不安に押しつぶされそうになって
「本当にッ…ごめんね泣助けてあげられなくて泣」
「ううん。黄ちゃんと出会ってなかったらもうしんでたかもしれない笑」
「ありがとうッ…泣生きててくれて」
「俺も」ニコッ
「なんで剣道やめたか…って聞いてもいい?」
「そうだね…話してなかったね。」
僕が、のうのうと生きている間に
赤は、1度生死を彷徨って
片手をほぼ失ったも同然の状態になっていたの?
「ッ…泣」
「ねぇ笑黄ちゃんが泣かないでよ笑
今、生きてればそれでいいでしょ?」
そうかな…
でも今生きていることに代わりはないから。
今を楽しんで欲しいな。
「…でもそういえば赤、どっちの手が悪いんだっけ?」
「左手だけど…?」
嘘でしょ…?
僕、実はね、
橙先輩の家に青さんと2人きりで入ったのを追って
見てたんだよ。
今度は絶対助ける。そう思って
殴られそうになった時
確か左手で受けていたよね
手首よりも上で。
「えッ…?」
手首が悪いのならば、
手首から上にかけては
負荷をかけてはいけないはず。
「ねぇっ…赤の手首治ってる…?」
「へへッ…笑気づいた?」
「じゃあまた剣道できるッ…?」
「うん!また一緒に稽古やろうね!」
コメント
1件
え、!?嬉しい…!!!