テラーノベル
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「…じゃあ..切るよ!」
ムアラニちゃんは人の髪を切るのは初めてらしい。凄く緊張していた。同時に私は 気持ち悪がられたらどうしようと考え、冷や汗が止まらなかった。数分後には前髪に手をかけ、切って行った。
「ふぅ〜…出来た~!!」
ムアラニちゃんは私に鏡を渡してくれた。鏡を覗き込むとそこには【大蛇の呪い子】がいた。
「変じゃないかな…?」
私は恐る恐るキィニチに聞いた。
「まあいいんじゃないか?」
初めて自分と言う存在を認めて貰えて嬉しかった。片目も鱗も全部それが“私”として受け止めて貰えて初めての感情に涙が出て来そうだった。もしも時が止められるならこの嬉しい時間をずっと止めていたいな。
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