テラーノベル
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誰もいない教室、夕焼けが教室全体を包んでいた
辺りを見渡すと、なんだか殺風景で僅かな不安を感じる
扉の奥、廊下の人影に気づいた。その人は私がここに呼び出した人。
「待たせてごめん、ちょっと会議長引いちゃって」
「全然、急に呼んですみません」
「いーよ笑、どっかわかんないとこあった?」
今までとおなじ、優しい声でそう問いかけられる
机の上に置かれている教科書とノートを開いた、ノートには、何度も消した跡が残っており、紙が少し折れているところもあった
「この問題、分かんなくて」
「んー?ここね」
そう言って、先生は微笑んだ
「めっちゃ、苦戦したんだね。頑張ったじゃん」
2人の目が合う
すぐに、顔を逸らしてしまった。
「じゃ、やりますか〜」
独り言なのか、私に言っているのかはわからない。 先生は、私の机の前に椅子を持ってきて、そこに座る
生徒用の机は、二人で使うには狭すぎる。普段はそれが嫌なはずなのに今回は違かった。 今回だけは、その狭さが心地よく感じた
分からなかったところも、どんどん減って行き、今日聞きたかったところはもう無くなった。ノートには、私の字と、先生の字が書かれていた
「よし、これで終わり?」
「はい、ありがとうございます」
「おつかれ〜」そう言いながら、教材をしまう先生は、何回みてもかっこよく見える
私も、机の上のものを片付けた。ノートや教科書は鞄へ、消しカスはまとめて、黒板近くのゴミ箱へ。
「……、柳原先生」
返事はない。その代わりに目線がこちらへ向けられた
「先生、私」
先生の顔は見れなかった。今見たら言えなくなってしまいそうだったから。どこかで話をずらしてしまいそうだったから
「私、先生のことずっと好きでした」
二人の間に、会話はない
聞こえるのは、風の音だけ
気づけば空はもう暗くて、先程までオレンジ色だったはずの教室は、暗く、天井に着いている蛍光灯だけが教室を照らしていた
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