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ある日の朝、私、小林楓花は自分の部屋で不気味な硝子玉を見つけてしまいました。
「こんな赤色のびーだまなんて持ってたかなぁ、」
不思議に思いながらも学校の制服に着替え、課題を鞄に入れる。靴下を履いていると、下から優兄の
「おーい!ふーかー!メシー!!」
という声が聞こえてきた。急いで「はーい!!」と返事をしてドタバタと階段を駆け下りていった。
「おはよ、優兄。」と言って配膳をする。ウチには親がいない。居ないって言うか、私達が小さい頃に亡くなった。最初は辛くて、大変だったけど何とか今までやってこれている。それもこれも優兄のお陰なんだけどね。すると、
「楓花、どうした?なんかあったのか?」
私がいつもより喋らな過ぎたのか、優兄が私を心配していた。
「うぇ!?だ、大丈夫だよ!!もー、優兄は心配症だなぁ、」
咄嗟に反応するも、変な声が出てしまった。
「そうか…?」
心配症な兄が、逆に心配になってしまい、私はびーだまの事を兄に話した。
「いや、朝起きたらさ、机の上にあかーいびーだまがあったの。私は拾ってきてなんてないし、机の上に置いた覚えもないのよ?だから、怖いなーって…、優兄はどう思う?」
優兄が作ってくれたハムエッグをちびちびと食べながら、テーブルの上にコロンと赤いびーだまを転がした。
「え?赤いビー玉?俺はそんなの知らないけどなぁ、最近は友達だって家によんでないし、」
「そっかぁ、分かった…」
優兄に相談するもなんの手掛かりもなく、モヤモヤしながらも私達は学校へ行った。
学校につくと、学校中がザワザワしていた。私は優兄と顔を見合せた。私達は不思議に思い、近くにいた後輩ちゃんに聞いてみた。
「ねぇ、なんでこんなに皆ざわざわしてるの?」
「え!?先輩知らないんですか?!今日先輩たちのクラスに転校生が来るんですよ!!それも双子の!その双子がどうにもバチくそイケメンらしくて、皆ワヤワヤ騒いでるんですよきっと!」
後輩ちゃんが詳しく教えてくれて、私も優兄もこの状況を理解する事が出来た。
「ありがとー!!後輩ちゃん!!」
詳しく教えてくれた後輩ちゃんにお礼を言い私達二人は教室へ向かう。
「転校生かぁ、仲良くできるかなぁ??」
兄に話しかけてみるも、兄は「大丈夫っしょ」と、かるい感じだった。準備が出来て、課題を出しに行き、ふと、ポケットを触ると、「うわっ、」っと思った。優兄から
「どうした?」
と、聞かれ私は優兄にしか聞こえないくらいの声でボソッと言った。
「どうしよう…赤いびーだま持ってきちゃった…、優兄に見せて、それからポケットに入れてそのまま出し忘れたんだったー!!!」
優兄は「え、別に大丈夫だって、なにか事件が起こるわけでもないのに、」と、私に言い聞かせるように呟いた。
「そ、そりゃそうだろうけど、」
それでも私には違和感しかなかった。
憂鬱な気分のまま先生が来て、「それじゃあホームルーム始めんぞー」と言い、教室中がワっと盛り上がる。
「はーい、お前らも知ってるんだろうけど転校生が来たからなー。紹介すんぞー。」
そう言って、転校生の名前を呼んだ。ガラッと扉が開き、転校生の双子が入ってきた。その子たちはとんでもなく美形で、俳優さんをも超えるような容姿だった。教室中はキャーキャーワーワー、騒がしかった。
「うるせー」とか、双子が声を揃えて言うと、もっと騒がしくなった。
「はいはい、静かにー。じゃあ席は、後ろの席が空いてたよな。」
嫌な予感がするもその予感は的中。
「じゃーー…あ、楓花と優太の後ろだな!!空いてて良かったぜー。」
先生が私達の席を指さした。
「ゑっ、」
いやいやいやいやいやいやいやいや無理無理無理!!絶対に無理!!仲良くなれる気がしないし、もうちょっと陽キャのところら辺がこの子達も良かったでしょ!!
私がそんな事を思ってると、優兄はあの双子に「よろしくなー!!」なんて満面の笑みで言っている。私もつられて、「よ、よろしく、」なんて陰キャ丸出しの挨拶をしてしまった。
そんなこんなで昼休みになった。私達は一緒にお弁当を食べながら、この赤い硝子玉について話していた。だけど、その時に転校生の双子が私たちの目の前に現れた。
「あ、えっと、どうしたの、?学校案内は学級委員長がしてくれたはずだけど…」
道が分からなくなったのかなと思い、そう言うと、
「ちげーよ、その赤い硝子玉についてだよ。」
そう言った。
「え?!この硝子玉について何か知ってるの??!」
私が双子にそう言うと、彼らは、
「その硝子玉は___」