今からは私の大好きな時間!入浴!!
私は他の執事とは性別が違うため、予め決められた時間に入ることになっている。
『はぁー、気持ちいい…』
執事のお風呂とはいえ、優しいフェネスさんはアロマキャンドルで疲労回復効果のある香りを飾ってくれる。こんなお風呂はここだけでしか入れない。
お風呂から上がると、私は別邸にある自分の部屋へ戻る。冬の間は室内との温度差に身が凍りそうになるが、夏場は涼しくて気持ちいい。体を拭いて寝巻きに着替えた私は脱衣所から出た。
「あ、!ムーさん…!」
まるで待ち構えていたようなタイミングでフェネスさんとばったり会う。
『今からお風呂ですか?』
「いや!そういう訳じゃないかな笑。」
『そうなんですね!今日もお風呂最高でしたよ♪』
「良かった笑。 あ!そうだ!良かったら、髪の毛乾かしてあげようか?」
『え、いいんですか?!』
正直お風呂は好きだが、その後は面倒であまり好きではない。
「うん、いつも大変そうだし笑。」
『じゃあお願いしたいです!』
フェネスさんはまるで割れ物を扱うかのように私の髪を乾かした。優しくヘアオイルをつけて、優しく髪に触れて、全てにおいて優しかった。手の動きには迷いはなく、あっという間に乾いてしまった。
「よし!完了!」
『ありがとうございました!』
「ムーさんの髪の毛は乾かしやすいな。」
『もしかして、昔の主様関係?』
「え、どうして…」
『…なんとなく。』
何を得て似てると思うんだろう。
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私は自室の中で指輪のふちを撫でながら
執事の発言について考えた。
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