アッシュのいる訓練場までなりふり構わず走った。
素足のまま芝を踏む感覚に懐かしさを覚える。母が亡くなってから面倒を見てくれた引き取り先で馬と戯れながら自然に身を任せていると、不安や寂しさが浄化されるような感覚があった。
今も一歩一歩芝を蹴るたびに勇気を貰っているような気がする。
ちゃんと話さなきゃ。
私の気持ちを伝えなきゃ。
そう決意してここまで来たのに、この目にアッシュの姿を捉えると、心臓が掴まれたようにぎゅっと痛くなる。
私に最初に気付いたのは、訓練の為に城に訪れていたダージ騎士団長だった。
「お、嬢ちゃん!久しぶりだな、元気してたか?……おい、なんで裸足なんだ?」
そう問いかけるダージの横を無言のまま通り過ぎると、ようやくアッシュは私の存在に*********
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