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🍷「今日なんかつけてる?」
家事をしながら何度か奏斗の周りを動いていたら、ふいにそう問いかけられた。
🌸「あ~香水?」
🍷「え、いつもつけてないよね?」
🌸「うん、得意じゃないし」
🍷「だよねぇ?」
奏斗は不思議そうにこちらに近づくと、私の手を取り手首を自らの鼻に近づけた。
🍷「?違う」
そのまま背後にまわってうなじやら首筋をくんくんしている。
ちょっと恥ずかしいんですけど。
🌸「くすぐったいんだけど」
🍷「え〜?だってどこだ?匂いはするんだけど…」
そう、本来香水を付ける箇所として推奨されているところには付けていない。
私が付けたのは胸元の肌にワンプッシュだけ。
これくらいなら香水が苦手な私でも平気だし、気付かないだろうと思ったんだけど。
背後にまわったまま抱きしめる形で私の頭に顎を乗せていた奏斗を見上げるように身動ぐと、抜けた空気から奏斗に匂いが届いたらしい。
🍷「!今した!」
ぐるんと私の身体を自分に向き合わせると、服を引っ張ってそこに顔を埋められ匂いを嗅がれる。
🌸「ちょっと…!」
🍷「ここかー!わかりずらっ」
🌸「そこで喋んないでくれる…?」
急にそんな事するから心臓ばくばくしてるんだけど絶対聞こえてるよね!
顔は離してくれたけど、奏斗が私の腰辺りで手を組んでいるから至近距離のまま。
🍷「え〜何で急に香水とか使ってんの?少なくとも俺といる時付けてた事ないよね?」
🌸「ないね。そもそも付けてた事ないよ」
🍷「ね〜何で??」
なんでって、これは。
公式で発売されてるあなたのイメージフレグランスなんですよ。
どうしても欲しくて買ってみたら、香りも私好みだったから付けてみたいと思ったのだ。
🌸「…奏斗のイメージフレグランス」
🍷「ん?」
🌸「公式で出してるじゃん?あれ買ったの。だから、」
🍷「俺のだから付けてんの?」
🌸「そうですけど!」
言ってたらいたたまれなくなって、顔を隠すように奏斗にもたれ掛かる。
🌸「…ちょっとしか付けてないし気付かれると思わなかった………」
🍷「気付くよそりゃ」
🌸「あ“〜〜〜〜」
ふ、と奏斗が笑った気配がする。
🍷「可愛い事してるねぇ」
🌸「普通だし…」
少し身体を離されて、優しく微笑む奏斗と目が合う。
そのままもう一度私の服を引っ張ると、フレグランスを付けた辺りに口付けを落とされた。
🍷「また付けてよ、俺の為に」
* ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ * ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ ┈ *
奏斗のイメージフレグランスの香りが
好きすぎて、リフィル販売の検討を…!と
懇願メール送った。
あれってどんな香りか確認くらいはするのかな?