♢ side Watanabe Shota
それから数日が経過した。照とふっかの仲は相変わらずで、あれから特に喧嘩もしていなさそうだった。
俺達SnowManは、現在番組収録の為に楽屋で待機していた。佐久間とラウールはスマホを見てキャッキャしているし、阿部は机に座って本を読んでいるし、めめとふっかはソファーで何か話しているし、(距離はちゃんと空けてる)涼太と照は番組内の企画について話し合っていた。
そんな中……。
「……!?、」
俺は楽屋内で繋がる赤い糸を見つけた。照とふっかの物では無い、違う人の糸だ。
「(またメンバー内でカップルか?)」
そう思いながら主を辿ってみると……。
「……(へぇー……康二か……。)」
康二に赤い糸が巻き付いていた。
「(相手は誰かなー。)」
と、もう一度糸を辿ると……。
「(めめ……。まぁ、想定内のカップルだな、てか繋がりかけだし……両片思いって言う奴かこれが……。)」
Koji「しょったそんなチラチラしてどしたん?笑」
「うわっビックリした……。」
Koji「もう本番やで?」
「え、もうそんな時間?」
Koji「皆もう準備してんで。」
「分かった。」
♢
本番終了後……。
「では、SnowManの皆さんお疲れ様でした!」
「お疲れ様でしたー。」
Hika「じゃあふっか帰ろうか。」
Fuka「りょっかーいちょっと待ってー。」
Abe「佐久間、一緒に帰ろうよ。」
Saku「うぇ?阿部ちゃん珍しいね!笑」
Rau「康二君、めめ、行こー!」
Ren「分かったー。」
Koji「ちょ待ってやー!」
皆ぞろぞろと帰っていく中……。
Date「……じゃ、俺も帰るね。」
「おう………………って、は?」
俺は目を丸くした。
Date「?、どうしたの?」
「……え、ちょ……、」
俺はすぐに涼太の腕を勢いよく掴んだ。 何故なら、涼太の指に赤い糸が巻き付いていたから。
「っ待って、!」
Date「わっ、急にどうしたの翔太?」
「(は、誰だよ……?、誰の事好きなんだよ、)」
Date「しょ、翔太痛いって、!」
「あ、ご、ごめ……、」
無意識の内に力を入れてしまったらしい。パッと涼太の腕を離した。
Date「何、?」
「……ねぇ、誰が好きなの……?」
Date「……え?」
いてもたっても居られず、俺はすぐに聞いてしまった。すると、涼太はビックリした様な目をした。
「誰が好きなのって聞いてんの。」
Date「な、何で……好きな人居ないよ、?笑」
「俺には分かる、好きな人出来たって分かるから。」
本当は糸の所為だけど。
Date「……幼馴染って怖いな。」
「……認めんの?」
Date「……うん、居るよ。」
「……誰?」
Date「何で翔太に教えなきゃいけないの?秘密だから。」
「っ良いじゃん、誰にも言わないから、!」
Date「もー……じゃあ特別にね……?」
「……、」
Date「……めめ、が好き。」
「…………へぇー、そっか。どういう所が好きなの?」
Date「……かっこいいし、努力家だし、誰にでも優しい……所……?」
「……はは、笑」
Date「わ、笑うなって……!//」
「……ごめんって、応援するよ、相談なら聞くから。」
Date「……ホントに翔太?何か人格入れ替わってんじゃない?笑」
「俺の事バカにしてる?」
Date「してないしてない、珍しいなーって思っただけ。こういうの興味無さそうだからさ。」
「……そう?」
Date「だって翔太だもん。」
「は?」
Date「ごめんって笑」
「……はぁ……まぁ、頑張れよ。」
Date「うん、ありがとう翔太。」
そう言って幼馴染の彼は楽屋から出ていった。
「……。」
楽屋で1人になった俺は、我慢出来ずに涙をボロボロと零してしまった。
「〜っひぐ、う”ぅ、っ……、」
誰にも見られちゃいけない。このぐちゃぐちゃになった顔だけは、今だけは。
「どうして、っ、何で……、?」
「おれの糸、どこにいったらいいの、?」
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