コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「はい。じゃあみんな今日はこれで解散しよっか」
一通り自己紹介が済んだあと、美姫さんがみんなに話しかけた
ついでに差し入れまでくれるなんて
結構すごいサークルだから、初日からきつい練習があると思ったのに…
意外と厳しくなさそうな感じだな…
周りはもうサークル内の人に話しかけたりしている
うわぁ…絶対僕には難しいタイプだ
って…あれ?蒼さんは?
「もう行っちゃったかなぁ…」
こんな僕が人に話しかけようだなんて百億年早かったってことだね…
トホホ…
そうでも無かったみたい
「えと…蒼さんは…よく…食堂で食べるんですか?」
「…まぁね」
なんで僕…蒼さんと話してるんだろ
「黄…だっけ?お前も食べる?」
え!?僕の名前覚えてくれてるの!?
あんなに意味がわからない自己紹介だったのに
「いえ…さっき食べたばかりなので大丈夫です」
うぅ…素っ気ない対応しちゃった…
ほんとは食べたかったけど
実はさっき美姫さんがくれた差し入れでお腹いっぱいなんだよなぁ…
「そう…」
「あの人差し入れの量がバグってるからな」
「あはは…」
蒼さんもわかってる…
そんなこと思っていたら不意に蒼さんから話しかけられた
「あのさ…こんなこと言ったら先輩失格だと思うけど」
「お前本当に演劇できるのか?」
「………え?」
本当に…本当に突然過ぎてびっくりした
なんでそんなこと聞くの?
「お前、人前に立つの苦手だろ」
「そんなので本当に舞台に立てるのか?」
僕が話す前に蒼さんから遮られた
いや…本当は先に話されただけだけど
蒼さんが話すことがあまりにも図星過ぎて、これ以上何も話せない
「ごめん…」
しばらく沈黙が続いたあと蒼さんが急に話しかけた
「聞いちゃいけないこと言っちゃった気がして…」
「そんなっ…」
ガタッ
「俺…もう帰る」
「あ………」
「あと、さん呼び嫌いだから」
スタスタスタ
「………」
初対面で変な空気になっちゃった…
「僕は蒼さん……ううん…蒼くんと仲良くしたいな…」
やっぱりここでも友達はできないんだね…