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しかし彼はそれに対して、何かを欲求してくることはまったくなかった、ただあるがままを私に委ねてくれていた
彼が意思の力で必死に自制してくれているのは、まなざしや表情から見て取れた、私は彼が気の毒でたまらず、自責の念にかられていた
本来なら好きあっている恋人同士なら、ベットを共にし、セックスを楽しむものだろうけど
心の障害ゆえに女になれない自分を彼女にしたばかりに、彼には苦しまなくていい苦痛を与えている
それでも彼が必要としてくれているうちは、こんな風に彼の傍にいたい・・・・
私はそう願いながら目を閉じた
ある日の夕方のショッピングモールの慌しさから抜け出て、私は夕食の買い物を済まし
自分の車が置いてある従業員用の駐車場に、鼻歌を歌いながら歩いていた
すると突然物陰から、私の目の前に誰かが現れた
あまりにも驚いて、私は夕食の買い物袋を落としてしまった
その人は落とした買い物袋を拾ってくれて、私しに差し出した
その人物は、私が一番この世で会いたくない元夫だった