ここは一昔前の中国。
俺dnq!
そして今日、俺は妃、桜綾として入宮する。
…と言っても、帝との子ではない子を授かってしまった、姉の代わりに秘密で入宮するのだ。もちろんバレれば命はない。その場しのぎの方法だが、妃を失うよりいいのだろう。
最低限の作法と、姉の仕草や言動のクセ、勉学などしっかり叩き込まれて生きてきたから自身はある。姉が帰ってくるまでの二年、俺は此処、女の園である後宮で過ごすのだ。
宮は思っていたよりも大きく、驚いてしまう。自慢ではないが、姉は四夫人の中の貴妃であり、四夫人の中での最高位である。…だからこそ帝以外の子を身ごもってはいけないのだ。
宮に入ると、侍女たちが迎えてくれた。
「桜綾様おかえりなさいませ。」
「ありがとう、私の勝手で一人で出掛てしまってごめんなさい。」
姉に似た、高い声で。しっかり姉を演じる。
「あ、謝らないでください。今日はゆっくり休まれてください、お疲れでしょう。」
「…よければ、お茶を入れてきてくれないかしら。私は少し着替えようと思って。」
「はい。」
侍女が厨房に出掛けたのを確認してから、部屋の鍵を締める。
漢服を脱ぐと幾分か体が軽くなった。数十キロもある服は着ているだけで筋力トレーニングのよう。姿見には、汗だくの姿が映されている。
やっぱりソコは女物ではない。体つきは布で隠しているものの、布を剥ぐと男性だ。だが、容姿には自身がある。母親譲りの白髪は姉よりも美しく、顔つきも姉には負けていない。姉に似せるため、自慢の髪も少々傷ませた。でも、俺が生き残るためには必要なこと。…とはいえ、湯船はどうすればいいのだろう。侍女には着替えを頼まないよう、気をつけなければ。
一応姉も湯船は一人で入り、着替えも一人でしていたと聞いているので覗きはしないだろう。
「桜綾様、お茶をお持ちいたしました。」
「少し待ってくれる?もう少し着替えにかかりそうで。」
「はい。お待ちしておきます。」
「ありがとう。」
…恐らくあの侍女が持っているのは研膏茶だろう。姉が大好きでよく飲んでいるものだ。…なのだが、俺はあの茶が大の苦手だ。
どうしよう、バレないように俺研膏茶飲めるかな…
NEXT500
どうなんでしょう…?
後宮は未知過ぎて難しかったです☆
コメント
3件
え、わぁ、大好きです‼︎ 他の、彼の方はどのようなお立場で登場するのでしょうか、めちゃくちゃ楽しみです‼︎
新連載待ってました! 世界観が難しいかもしれないですけど頑張ってください! これからも応援してます!!
神様です。 ほんとにはよ犯されてほしいです((