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地下の階段は嫌という程足音が鳴り響く
日差しも全く通さず、瞑色が薄くかかったようなライトが地下の恐ろしさを物語っている
基本ここは武器や爆薬などが保管されていたり、薬品の実験のための施設がある
そしてここで依頼が入った時にとある奴が活動するための場所でもある
さっき依頼したから今はちょうど活動してる時間だ
hr「手こずってないといいけどな」
そう呟き1つ異様な禍々しさのオーラを放っている扉を開けようとする
少し血なまぐさいってことは…
yu「ふー…疲れた〜」
hr「お、ゆーま!」
yu「え、はるさん?一体どうしたんですか?」
hr「ちょっと疲れたから様子を確認がてら休憩しに来ただけw」
yu「絶対こんな所落ち着ける場所じゃありませんよ…」
hr「それで…依頼してたやつはどうなった?」
そう尋ねると小さく笑って彼はこう言った
yu「ばっちりです」
hr「なかなか情報吐かなかったからな…」
yu「まぁすこーしだけ痛めつけてあげたら大抵の人は情報吐いてくれるので簡単ですよ。終わったら処分したらいいだけですし。強いて言うなら情報吐くまで殺さないように手加減しないといけないところが難しいですね」
hr「おぅ…w」
こんな物騒なことを言っている此奴もこの国の幹部だ
普段は書類の整理や雑用、公務も何でもこなしている有能だ
ただこの地下室に来ると人格が変わったかのようになってしまう
この地下室は有力な情報を持っている奴がなかなか情報を吐かなかった場合に使われている
いつもゆーまが使ってる方法というのが拷問というものだ
大体地下室からは悲鳴声と高らかに笑うゆーまの声が聞こえてくる
普通に怖い…
まぁ普段はちゃんと仕事するし良い奴だから情報吐かせの方法については何も言わないけども…
yu「あ、ちなみに吐かせた情報のメモ机の上に置いといた方が良いですか?」
hr「いや、ちょうど今いいタイミングでここに来たし貰っとくよ」
yu「ありがとうございます」
メモを受け取るために手を差し出すと赤黒い血が染み付いた小さな紙切れを渡された
yu「一応全部吐かせたはずです」
hr「いつも仕事早くて助かるわ…ありがとな!」
yu「いえいえ」
hr「あ、上に来る前に血の臭い落としてこいよ」
yu「分かってますよ」
そう言われ、地下室を後にする
地下室を出た目先にある廊下に出ると下とは違う新鮮な空気が周りにやってくる
hr「ふぅ…空気が美味しい…」
hr「次は…情報管理室に行くか。このメモも渡しときたいし」
情報管理室にはいつも同じ幹部がいる
パソコンを扱えて、ちゃんと情報を処理できるような奴が一人しかいないっていう理由もある
hr「地下室から情報管理室までは意外と近いんだよな〜」
先程預かったメモを片手に黒い鉄扉を開ける
案の定部屋の電気は付いておらずパソコンのブルーライトだけが隙間から溢れ出ていた
hr「入るぞ〜」
鉄の重たい音が辺りに響き、中の全貌が見えるようになる
いつも通り大きな椅子に腰掛ける幹部が一人…そう思ったが今日は違った
それに何かを言い合っているように見えた
hr「今日は一人じゃないんだな」
tk「どこかの誰かさんが勝手に入ってきてるからね」
ymd「お前いちいち言い方キツイねん」
tk「ほんとのこと言ってるだけだろ?」
ymd「やとしてももっと他の言い方あるやん」
tk「なんで俺がわざわざお前に気を遣わないといけないんだよ」
ymd「ほんまこいつ鬱陶しいわ…」
tk「激しく同感」
ymd「腹立t」
hr「お前らストップストップ…」
tk「…」
ymd「…」
hr「ほんとお前らすぐ喧嘩しすぎ。もっと相手のこと尊重してあげろよ…」
ymd「だって此奴と相性合わんもん」
tk「ほんとそれ」
hr「だから、ここでお互いに強く当たらない」
ymd「へいへい」
hr「もうすぐ模擬戦やるって言ってたし日頃のお互いへの鬱憤はそこで晴らせ!」
ymd「マジ?模擬戦やるん?」
hr「どうせ暇だしな。また後でこむぎに相談してみるわ」
tk「模擬戦は見てるだけでも楽しいしね」
ymd「お前あんま参加せえへんよな」
tk「俺は接近戦ってよりかは裏で動いてることが多いから」
hr「確かにそうだな」
ymd「1回此奴と本気で殺りあってみてえな」
tk「今度模擬戦がある時対戦する?」
ymd「おう、受けて立とうじゃねえか!」
hr「何とか収まって良かった…」
tk「そういやはるてぃー何しに来たの?」
hr「あ、忘れてた。さっきゆーまから情報のメモ貰ったから渡しに来ただけ」
ymd「今日も拷問やっててんなw」
tk「相変わらず仕事人だな…。どっかの誰かさんと違って…」
ymd「それとなーく俺の方見るなy…」
tk「あ、メモ預かっとくね」
hr「お、サンキュ!」
ymd「普通に話そらすな…!」
また喧嘩が始まる予感がしたので早急に情報管理室を出ることにした
扉を閉める時にはもう怒鳴り声が聞こえてた…ということはそういうことだ
hr「元気すぎだろw」
全員に会えて満足した俺は総督室に戻ることにしt
ut「こんな所で一体何してるんだ?」
hr「う…その声は」
振り返らなくても分かる
少し低い声と背中にお前今まで何やってたんだオーラがひしひしと伝わってくる
ut「また書類やらずにほっつき歩いて!いつもお前の書類肩代わりしてるの俺なんだからな?!」
hr「それは重々承知しております…」
ut「前々から言ってたよな?俺も結構な書類に追われてるから俺の仕事をこれ以上増やさないでくれって。いつも俺が怒った度に分かってる分かってるって言ってるけどお前ほんとに理解してるか?理解出来てないなら言葉の一語一語を丁寧に辞書引いて説明した方がいいか?大体総督が仕事放り出して幹部のところに遊びに行くなんておかしな話だぞ。それに…」
hr「あーもう!うるさーい!!」
ut「うるさくない!」
hr「そうですか〜。まぁやる気は無いから逃げさしてもらいまーす!」
ut「あ、待て!」
さっきまで静けさを保っていた廊下も一気に騒がしくなる
今鬼の形相で俺の事を追いかけている此奴もこの国の幹部の一人だ
此奴は副総督を務め、更には参謀も務めている
いつも何かの尻拭いをさせられたり大体書類の生理は此奴に行き着いたりと…何かと不憫な男だ
けど此奴は誰よりも努力していることが分かる
いつも机に向かっては頭を悩ませる数々の書類を難なくこなしていく
総督の俺もいつも助けられてるし、この国の幹部に必要な存在だ
まぁよく追いかけ回されることがあるけども、それもまた楽しいから全然いい
hr「よっしゃ、このまま逃げ切ってやる!」
ut「おい、はるてぃー前!!」
hr「え」
ガシャーン!!!
hr「痛った〜…」
ut「お、おい!大丈夫か?」
hr「大丈夫大丈夫w」
ut「なら良かった。大丈夫なんだったらこのまま書類が待ち構えてるお前の部屋まで連行させてもらうね」
hr「え。いや、だいぶ重症!医務室行くレベル!だから離して!!!」
ut「はいはい大袈裟。ほら、行くぞ」
hr「もうほんとヤダって〜…」
この後ちゃんと書類も終わらせ、ちゃんと総督としての責務はしっかりと果たしました