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「俺は⋯⋯」
――中学三年生の雨の日の頃。
辺りは暗く午後7時を迎えるところだった。
俺は頭がそれ程よくなかった為、補習を受けていたので学校に残っていた。
補習が終わり爆速で帰るつもりだったが、廊下を通り過ぎようとすると、空き教室から聞き覚えのある声がした。
ドアに耳を傾けると「きゃあああ!」と突如に叫び声が聞こえ、思わず体が反応していた。
咄嗟にドアを開けて勢いで中に入るとそこには、間違いなく…天野香織がそこに居て。
男子生徒2人が座り込んだ天野香織にカメラを向けていた。
彼女は目に涙を浮かべ、ひどく震えていて。
⋯そして、その状況に絶句した。
「やばい…!学年1の不良が来たぞ!」
「⋯⋯おい⋯お前ら、なにしてんだよ…」
「撤退だ!殺されるぞ!!」
その男子生徒2人は別のクラスの俺の友達だったのだ。
⋯何故、3人きりで空き教室に居たのか。
何故、天野香織は叫んでいて、男子生徒2人にカメラを向けられていたのか。
何故、彼女は涙を浮かべていたのか。
――そして何故、彼女は全身傷まみれだったのか。
「――あの時、中三の頃。私も混乱⋯してたのよ 」
「⋯翌日、学校に勇気を振り絞って行ったら、いつも仲良かった友達が素っ気なくてさ。『気まず』って、言われたのよ」
「クラスの男子からも変な目で見られて、さ
もし四季にも嫌われたら⋯って思うと怖くて」
「私だって⋯私だって右も左も分からないまま勝手に仲が良いと思ってた友達に裏切らて⋯!男に好き放題されて終いには変な目で見られて嫌われて⋯!!」
「⋯もう、どうしたらよかったのよ⋯⋯」
「――まさか、高校にまで噂が出回るとは思ってなかったのよ。それに⋯違う方向で。」
「⋯あのことが起きてから、前みたいに馬鹿し合えなくなったらどうしよう、とかどう思われるんだろう、とか考えたら話し掛けにくくなって⋯」
――そうして、彼女は俺に向けて頭を下げた。
「ごめんなさい」
⋯初めて見る光景に驚きながらも、そんな彼女に、言った。