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「……おい、いつまでそんなところで突っ立っている。俺の隣に来い」
図書室の隅、影の薄い私を呼び止めたのは、サッカー部のエース・透だった。彼は鋭い眼光で私を射抜き、低く響く声で続ける。 「この腐った世界を壊す前に……まずは貴様の空腹を満たしてやる。これを作ってきた。食え」
差し出されたのは、丁寧にラッピングされた重箱。開けると、栄養バランス完璧なキャラ弁が詰まっていた。「晋助様」を自認しているはずの彼は、私が一口食べるまで、甲斐甲斐しくお茶を淹れ、膝掛けをかけてくれる。……執事体質が隠せていない。
「ハッ! 晋助の真似事か? 似合わんわ。そんなもんより、俺と遊びに行こうや」
そこに割って入ったのは、バスケ部の蓮だ。 「自分、ええ顔しとるなぁ。俺の隣に立つのにふさわしいわ。光栄に思い?」 禪院直哉を自認している彼は、息を吐くように尊大なセリフを吐く。しかし、その手には「彼女が喜びそうな最新スイーツショップ」のメモがしっかり握られていた。
「おい、お前ら。女の子一人を囲んで何やってんの。騒がしいと図書委員に怒られんぞー」
そこに現れたのが、学園1位の竜だ。 彼は死んだ魚のような目をしながら、片手でジャンプを読み、もう片方の手でイチゴ牛乳を持っている。まさに「銀さん」そのものの脱力感。
「竜さん!」「チッ、1位のお出まし……」
透と蓮が即座に身構える。竜は面倒くさそうに頭を掻きながら、私の隣にどさりと座った。 「やれやれ……。俺の『糖分』より甘い空気流してんじゃねーよ。おい、お前。こいつらの相手するのも疲れるだろ? ほら、このパフェの割引券やるから俺と帰るぞ」
「ちょっと、竜さん! 抜け駆けは許しません!」 「黙れや、銀時!」
学園トップ3のイケメンたちが、陰キャの私を巡って火花を散らす。 私の「彼氏ができない悩み」は、どうやら別のベクトルで解決(?)してしまったらしい。