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#吉田仁人
Freesia
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異変に気づいたのは、それから三日後だった。
吉田が、昼休みに弁当を食べなくなった。
いや、正確には、食べる時間がなくなった。
授業が終わるとすぐにノートをまとめて、次の授業の準備をして、放課後は誰よりも早く教室を出ていく。
以前から真面目なやつだったけど、最近は少し違う。
余裕がない。
「吉田、今日カラオケ行かね?」
クラスのやつが誘ったときも、仁人は首を振った。
💛「ごめん。バイト」
「また? お前、いつ休んでんの?」
💛「……大丈夫だから」
笑って答える。
その笑顔が、妙に引っかかった。
俺は、あいつが教室を出たあと、机に突っ伏した。
🩷「……なんなんだよ、あいつ」
気になる。
めちゃくちゃ気になる。
けど、聞いたところでどうせ答えない。
そう思っていたのに。
その日の夜、俺はまたあの店の前にいた。
別に、吉田を探しに来たわけじゃない。
🩷…はぁ、。
……いや。
まあ、来たんだけど。
店の入口から中をのぞくと、ちょうど仁人が個室へ入っていくところだった。
黒いスーツ。
きちんと整えた髪。
そして、あの作り笑い。
🩷「……」
俺は、笑えなかった。
少しして、店のスタッフが廊下を通りかかった。
「本日の吉田くん、先生のところで大丈夫ですか?」
「ええ。先生も吉田くんを気に入っていらっしゃるから」
そんな会話が聞こえた。
気に入っている。
その言葉が、なぜかひどく嫌だった。
俺は、店の壁に寄りかかった。
帰ればいい。
俺には関係ない。
昨日、本人にもそう言われた。
なのに、足が動かなかった。
「吉田くん、ちょっと」
接待が始まって一時間ほど経った頃、客が俺を呼んだ。
💛「はい」
「君、今日はずいぶん疲れているね」
💛「申し訳ありません。少し寝不足で……」
「若いんだから、そんなこと言わないの」
客は笑った。
「ほら、もっとこっちに来なさい」
肩を引き寄せられる。
俺は、反射的に身を引いた。
ほんの少し。
本当に、ほんの少しだけ。
けれど、その人の笑顔が消えた。
「……何?」
💛「いえ、すみません」
「私、何かしたかな?」
💛「そういうわけでは……」
「だったら、そんな態度はよくないね」
穏やかな声だった。
それなのに、背中が冷たくなった。
「君をここで働かせてあげている人たちにも、迷惑がかかるんじゃないかな」
その言葉に、息が詰まった。
俺のせいで店に迷惑がかかる。
仕事を失ったら、生活ができなくなる。
そんなことは分かっていた。
💛「……申し訳ありません」
俺は頭を下げた。
💛「もう一度、失礼のないようにします」
客は満足そうに笑った。
「うん。君は賢い子だね」
悔しい。
唇をかみしめて頭を下げた。
笑顔を作る。
グラスを持つ手が震えた。
そのときだった。
個室の扉が、ノックもなく開いた。
🩷「すみませーん。ちょっといいですか?」
聞き覚えのある声。
俺は顔を上げた。
💛「……佐野?」
そこに立っていたのは、学校ではいつもだるそうにしている不良男だった。
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コメント
1件
うわっ…第4話、胸がギュッてなったよ〜😭💔 「気に入っている」って店の人が言った瞬間、ゾッとした…読んでてすごく嫌な予感したんだよね。 そんな中、仁人が「失礼のないようにします」って頭下げるシーンがもう切なすぎて、読んでるこっちまで唇噛んだよ。 そこに佐野登場!しかもノックもなしにドア開けるとか…カッコよすぎるんだけど?!もう次の話が待ちきれないよ〜!!🔥📖