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※ここからカルエゴ視点に戻ります
あの後、泣き止ますのが大変だった。何かと自分を責め、泣きじゃくるルーシーはまるで子どものようであった。無理もない。ずっと正体が分からなかった父親をあのような形でみつけ、自分の手で殺してしまった。何とか落ち着かせたと思ったら、すぐに魔官署の連中が到着し、ルーシーと俺は取り調べを受けることとなった。幸い生徒たちは事前に連絡していたダリ先生に保護され、傷一つなく帰ることができたそうだ。取り調べでは、化け物についてのことや当時の詳しい状態、また、ルーシーとの関係性についてしつこく聞かれた。俺自身の取り調べは1時間程度で終わったが、ルーシーの方は3時間以上かかり、出てくる頃には疲弊しきっていた。
「…あ、カルエゴ先輩…まだいたんすか」
「貴様を待っていた」
「え、先帰ってもらってよかったのに…」
「…そんな面の奴を放って帰れるほど、俺は冷たい悪魔ではない」
顔は青白く、目は泣いたせいか腫れている。流石にこんな状態の女性を一人で帰らせるなどありえない。
「…へへ、優しいっすね」
「このくらい当然だろう。」
笑ってはいるが、いつものような無邪気さはそこになく、無理やり口角をあげているようにみえる。
「…そんな無理に笑うな。俺の前でくらいおまえでいればいい」
「無理に笑ってる、かもっすね…じゃないと、正気を保っていられそうになくて、」
「正気でいられる方がおかしい。」
そう言うと、ルーシーは少しだけ目を伏せた。そして、いつものような少しニヤついた顔で、
「……先輩って、ほんと、容赦ないっすね」
「甘やかしてやるつもりはない。」
「……」
廊下に、沈黙が落ちる。
魔官署の冷えた空気が、やけに骨に染みた。
「……帰るぞ」
「……はい」
歩き出したはいいものの、数歩で気づく。
——足音が、妙に遅い。
振り返る。
ルーシーは、少し後ろで立ち止まっていた。
「どうした」
「……いや、なんでも——」
言い終わる前に、膝が揺れた。
「っおい」
咄嗟に腕を掴む。その腕は 驚くほど、軽かった。
「……すみません」
「謝るな」
「でも、」
「謝るなと言った」
ルーシーは、小さく息を呑んだ。
「……今日は、もう十分だ」
「……」
「全部、一人で抱えるな」
「……っ」
「今はまだ、整理できなくて当然だ」
「……先輩」
「だからせめて——」
一度、言葉を切る。
「落ち着くまで、隣にいろ」
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