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デリは魔法を解き私の方に顔を乗せて「お見舞いだよお、み、ま、い」と近づいて言ってきた
シラユキ）ふーん…？その割には……人払いの魔法を掛けてるよね？ちょうど…私を見つけたあたりかしら
デリ）もしかして…何か疑ってる？
シラユキ）そうね…あんたは私の知らない私を知ってるからね
デリの手を振り払って「一体…私の何が知りたいの？」と聞くとデリは言った……「お前は何者だ？」と
デリ）俺さぁ、バカだけど魔力探知は結構スゴイんだよねー
シラユキ）で？
デリ）魔力だけで俺を殺そーとしたよねぇ？
シラユキ）…バレてたのか…お前がカルじゃないのは結構最初から気付いてたよ
デリ）だってスゲー殺意マシマシだったモーン
懐から小型ナイフを取りだしデリの首に刺そうとしたら手を抑えられた
シラユキ）アンタだけだよ本当の私を知ってるのは
デリ）嬉しいな〜2人っきりの秘密だ〜
シラユキ）まさか偶然知られちゃうとは…
これはだいぶ前の話…
シラユキ）ふぅ…
デリ）あーれー？こんな所に「純粋な精霊」が居る〜
シラユキ）！！
魔力を解き放ち少し深い森の中の泉で休憩しているところを面倒臭いやつに見つかった
デリ）精霊かと思ったらシラユキだった〜…あれ、なーにー？この羽
シラユキ）ちょ…おまっ……なんでここに居るんだよ
デリ）散歩だよ散歩〜それよりも意外だなぁ…まさか高位精霊がここで人間に化けて水浴びなんて…
シラユキ）あーあ…バレちった…
ﾊﾞｼｬｯﾊﾞｼｬｯ…
水の中を歩きクルッと向き直り「私は人を羨んだ精霊、私は精霊の女王」と諦めてゲロった
デリ）やっぱりか…どうも魔力が異常でおかしいと思っていたんだ
シラユキ）デリ〜…これ、黙っててよ？
ふわっと近づき首元にそっとナイフを持って行き「黙ってなきゃグッサリ…だよ？」と脅すとデリは簡単に黙ってくれた
デリ）喋んないよ〜、でも交換条件
シラユキ）んぉ？
ふわっと離れ「大抵の事は聞けるよ〜？」と言うと「なんで人間なんかになったの？」と聞いてきた
シラユキ）人間になった理由か〜…簡単に言えば「終わりがある」から人間になった！死んでも別に死ぬのは人間の体だし
デリ）精霊は確か魔力のある限り生き長らえる空想上の生命体って話じゃなかったっけ〜？
シラユキ）そうだよ？その「魔力のある限り生き長らえる」ってのが嫌で嫌で仕方なくてさぁ〜……まぁ、人間になった代償に体が弱くなっちゃったけど…
デリ）魔力の異常な多さは精霊だからか…
シラユキ）バレちゃった〜他の皆からは「バレたら帰って来い」って言われてたのに〜…
水の中をバシャバシャと移動し「このまま帰ろうかしら…」と呟くとデリは「俺黙ってるから別に好きに生きたらいいんじゃねーの？」と言ってきた
シラユキ）私だってのうのうと帰るつもりは無いわよこの体である程度幸せになったら帰るつもりだし
デリ）幸せ？
シラユキ）そうだよ〜精霊に子作り云々の概念とかないからさ〜
デリ）あ〜…そうか、精霊は基本的に自然生成か…
シラユキ）そ、だから人はどんな風に幸せになるのか気になってね
なんて会話が実はあったのだ
シラユキ）ほんと…アンタに知られるのはキツいわ…
デリ）どうどう？人の人生って楽しい？
シラユキ）まぁ、結構楽しいよ
2人で話し合っていると「シラユキ…？」と後ろから声を掛けられ後ろを見るとワース先輩がいた
デリ）！？(おかしい…人払いは絶対したはずだ…なんで……なんで気付いてるんだ…)
ワース）つーか…なんでお前がいるんだユキに何してる！
デリ）色々聞きたいのはこっちだよ…
シラユキ）本当ね…ワース先輩もしかして魔力増幅剤でも飲みました？
ワース）あぁそうだよ…歪んだ魔力を感じ取ってな、それは……お前か？ユキ、それともソイツか？
シラユキ）そうねぇ…強いて言えば…私からじゃないかな？今魔力解いてるし…
デリから離れワース先輩の前に立つ
ワース）途中から…聞いてたが、お前…
シラユキ）怖い？それとも……軽蔑した？
少し笑って聞くと先輩は暫く黙った
そして……
ワース）いや…全く、本当のお前が知れてすげぇ嬉しい
と言って抱き締めてきた
シラユキ）物好きだねぇ笑
ワース）物好きだろうとなんだろうと俺はお前が知れてすげぇ嬉しい、俺以外もな
シラユキ）……俺以外…？
後ろをひょこっと見るとドットやランス、レイン先輩にオーターさん、アビス先輩とカルが殺意を剥き出しにしていた
シラユキ）おま、え……なんで居るの…
オーター）窓から少しそこのバカが入るのが見えましてね……他の人たちは…多分変わった魔力を感じとったんでしょうね
シラユキ）あ”〜…クッソ……お前マジで覚悟してろよ…
デリ）キャーこわーい！
シラユキ）あ、ちょ…逃げんな元凶！
杖を出そうとしたらオーターさんに手を握られ「少し……いや、全部話してもらいますよ」と言われ渋々返事をしてオーターさんの仕事部屋に誘拐された
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