テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「包帯は体の一部だよ。」
昔から、誰に対しても包帯を指摘された時に使う言葉。
この考えは、昔の大怪我からなるものだった。
怪我の後は後々自身のトラウマとなった。
自分の体がトラウマになってしまった。
一生残る大怪我の痕は、想像を超えるグロさだった。
その過去を隠すように包帯を巻いた。
大怪我を負った時のことも思い出したくもない。といっても、なぜか思い出せない。
記憶喪失でもしたのだろうが、それほど酷い怪我を負ったという事実だけ、儚く残っている。
酷い怪我は、包帯を外した時にだけ姿を現す。
包帯が自分の皮膚だと思えば、トラウマを誤魔化せる。
だから、体の一部なのだ。
トラウマを誤魔化したいがために、全身に包帯を巻いた。
その事実を誤魔化すために、前まで額にも巻いていた。
結局、包帯を巻き直すときだけ、自分のトラウマを見ざるを得ないのだが、
おそらく、その時は酷い顔をしているのだろう。
ただ1人、その事実を知っていそうな人物は、
江戸川乱歩、おそらく、もう見透かされているのだろう。
私は知らないふりをして、今日も遅刻で探偵社に向かう。
びしょ濡れの体を一掃重く感じた午前だった。