コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
~🖤~
嘘つき。裏切られた。なんで。どうして。
俺は目の前にある景色を到底信じられず、そんなことばかり考えた。感情が複雑に混じりあって、ドス黒い何かが芽生えるような感覚がした。
俺は同じグループの阿部ちゃんと付き合っている。
いや、もうそれも過去のことになってしまうんだろう。
さっき俺は冠番組の収録で仕事に出勤し、楽屋に入ろうと廊下を歩いていた。ふと阿部ちゃんの声が聞こえて立ち止まった。他の声も聞こえて、嫌な予感がして聞き耳を立てた。声の主は康二のようだ。
🧡「愛しとるで、阿部ちゃん」
💚「ちょっと!こんなとこで、やめてよっ」
🧡「ほんまかわええな」
💚「だめだってば、もう//」
音を立てないよう、慎重にドアを開けると、そこには顔を赤らめてキスをする二人の姿があった。
叫びそうになったのを必死に堪え、静かにドアを閉めた。
なんで?有り得ない。阿部ちゃんが、康二と…
俺はその場に膝から崩れ落ちた。自分の目が信じられなかった。
昨日の夜だって一緒にいた。俺といた時はあんな顔しなかったのに。俺が愛してるって言ったら「俺も愛してる」って微笑んでくれたのに。俺に向けた笑顔は全部偽物だったってことか?
🤍「あれ、めめ?こんなところでどうしたの?」
🤍「どっか具合悪い?大丈夫?」
ちょうど通りすがったラウールに心配されてしまった。ラウールには阿部ちゃんと付き合っていたことも言えてなかったから、こんなことも言えるわけがない。これ以上心配をかけないように、俺は無理矢理笑顔を作った。
🖤「大丈夫。ちょっと、、寝不足なだけだから」
🤍「そっか、相変わらず忙しいと思うけどちゃんと寝てね」
🖤「ありがとう。お前もな」
🤍「うん」
上手く動揺を隠せたか不安だったが、ラウールはそれだけ言って楽屋に入っていった。
俺が、グループに還元できるように、と身に付けた演技力が皮肉にも役立ったようだ。
燻り続ける感情を押し殺し、俺はポーカーフェイスで楽屋に入った。
次回に続きます。