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「……最悪だ」
喉の奥が引き攣る。
クラスメイトたちの視線が、好奇心という名の泥になって私にまとわりつく。
Asukaが投げた「Amia」という名前。
隣で、Yukiが石のように固まっている。
彼女が逃げ出してきた進学校の冷たさが、Asukaという形をして、再び彼女を窒息させようとしている。
「自分だけ救世主のつもり? 隣の深海魚さんをネタにして、いいねを稼ぐ気分はどう?」
Asukaの嘲笑が、教室の空気を支配する。
なんで、なんで。。。どうしてこんなやつなんかに、私達が、屈しなければいけないの!
進学校から転校してきて。Yukiという仲間を奪って。
・・・許さないから。私は、貴方の一切を許さない!
私は、ガタァッ、と椅子を鳴らして立ち上がった。
「……勝手に、私の物語を語るな」
顔を上げる。視界は、燃えるような緋色に染まっていた。
今様色を通り越した、真っ赤な、炎の色。
「これは、私が死なないために、Yukiを死なせないための・・・」
私は、震えるYukiの手を、痛いくらいに強く握りしめた。
彼女の指先は氷のように冷たい。
でも、しっかり握り返してくれた。
「今を生きるための、救いだ。」
私がはっきり言うと、震えていたYukiが喋りだす。
「……今この瞬間、絶望してる暇なんてない。私は、一秒も立ち止まらないって決めたんだ」
夕陽はさらに赤く、深みを増していく。