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コメント
2件

すごくドキドキきゅんきゅんしました🤭続編希望です✨
うわあ……これはもう、冒頭から心臓掴まれました。「我慢が増えた」って一行で勇斗の全部が伝わってくる。キスの一瞬の描写があまりに丁寧で、ほんの触れただけなのにものすごい重さと切なさがある。それでいて仁人の「え!? 何!?」って混乱ぶりが可愛すぎて笑っちゃった。大智たちのナイスタイミングも含めて、青春の痛さと甘さがぎゅっと詰まった第1話。この続きが気になって今夜は眠れそうにないです。
仁人を好きになってから。
我慢することが増えた。
隣に座ったとき。
肩が触れたとき。
何かを見せようと、当たり前みたいに顔を寄せてきたとき。
触れたいと思う。
抱きしめたいと思う。
キスしたいと思ったことなんて、一度や二度じゃない。
それでも、全部飲み込んできた。
仁人はメンバーで。
大切な人で。
俺の気持ちなんて、何も知らない。
だから、今まで通りでいられるなら、それでいいと思っていた。
今日だって。
そうするつもりだった。
仕事の合間。
楽屋には俺と仁人しかいなかった。
大智たちは別の仕事で、あとから合流する予定になっている。
仁人はソファに座って、スマホを見ていた。
俺も隣に座っている。
いつものこと。
何も珍しくない。
なのに。
「勇斗、これ見て」
「ん?」
仁人がスマホをこちらへ向ける。
画面を見るために少し身体を寄せれば、仁人もこちらへ寄ってくる。
近い。
肩が触れた。
それだけで意識している自分が嫌になる。
「これ、大智に送ったら怒るかな」
笑いながら仁人が俺を見る。
その距離のまま。
やめてほしい。
本当に。
こっちはずっと我慢してるのに。
何も知らない仁人は、平気で近づいてくる。
「勇斗?」
「……何」
「聞いてた?」
「聞いてた」
「絶対聞いてないじゃん」
仁人が呆れたように笑う。
その顔まで近い。
駄目だ。
目を逸らそうとした。
なのに、できなかった。
仁人の目を見て。
そのあと。
一瞬だけ、唇を見た。
自分でも分かった。
まずい。
「……仁人」
「ん?」
何も知らない顔で返事をする。
その瞬間だった。
気づけば、頬に手を伸ばしていた。
仁人の表情が止まる。
「……勇斗?」
まだ戻れる。
何でもないって笑って、手を離せばいい。
分かっていた。
それなのに。
もう、無理だった。
顔を寄せる。
そして。
仁人の唇に、自分の唇を重ねた。
ほんの一瞬。
触れただけだった。
それでも。
離れた瞬間、頭の中が一気に冷えた。
――何やってんだ、俺。
「……ごめん!」
思わず仁人から離れる。
「ごめん、仁人。今の……」
仁人は何も言わない。
ソファに座ったまま。
完全に固まっていた。
「仁人?」
「…………」
「ごめん。本当に」
返事がない。
さすがに怖くなってくる。
「……仁人、大丈夫?」
ぱち、と瞬きをした。
それから仁人は、ゆっくり俺を見る。
「…………え?」
「え?」
「何?」
どうやら、ようやく頭が動き始めたらしい。
「何、今」
「……」
「え?」
仁人が自分の唇に触れる。
そして。
一気に目を見開いた。
「え!! 何!?」
「ごめんって!」
「いや、待って。何!? お前、今――」
そのとき。
ガチャ。
楽屋のドアが開いた。
「おはよー」
大智だった。
その後ろから柔太郎と舜太も入ってくる。
「……あれ?」
大智が止まった。
ソファの端まで逃げている勇斗。
唇に指を当てたまま、顔を真っ赤にしている仁人。
妙な距離を取った二人。
そして。
異様な空気。
大智が二人を交互に見た。
「……なんや、その空気」
「何もしてない」
仁人がすぐに答える。
「いや」
大智が仁人を見る。
「俺まだ何も聞いてへんけど」
「…………」
墓穴を掘った。
「じんちゃん、顔赤くない?」
舜太まで覗き込もうとする。
「赤くない」
「赤いやん」
「うるさい」
「勇ちゃんもなんか変じゃない?」
「俺は普通」
「いや、二人ともおかしいやろ」
大智の視線が痛い。
まずい。
非常にまずい。
「……喧嘩?」
柔太郎が聞く。
「してない」
今度は俺と仁人の声が綺麗に重なった。
三人が黙る。
仁人が俺を睨んだ。
俺だって困ってる。
いや。
原因は完全に俺だけど。
「……怪しい」
舜太が呟く。
「怪しくない!」
「じんちゃん今日めっちゃ否定するやん」
「うるさいって!」
そのまま仁人は立ち上がると、
「俺、トイレ」
逃げるように楽屋を出ていった。
ドアが閉まる。
静かになった。
そして。
残された三人の視線が、一斉に俺へ向いた。
「……佐野さん」
大智が口を開く。
「何したん?」
「…………」
言えるわけがない。
好きすぎて。
我慢できなくなって。
楽屋で仁人にキスしました、なんて。
俺は顔を逸らした。
「……何もしてない」
「嘘つけ」
即答された。
何も言い返せなかった。
それよりも。
楽屋を出ていった仁人の顔が、頭から離れない。
驚いていた。
明らかに、動揺していた。
でも。
嫌だったのかどうかだけは、分からなかった。