不意に目が覚めた。
どれくらい眠っていたのだろうか。
丸一日眠っていたような気もするし、ほんの一瞬だったのかもしれない。
私は襲いくる睡魔に打ち勝つように身体を伸ばした。
窓から見える景色は薄暗く、夜明け前なのであろう。
もう一眠りしてもよかったのだが、喉の渇きを感じ起き上がることにした。
私は、ふらつく体でリビングに向かうと水を一口だけ飲んだ。
さて、どうしたものか。
寝ぼけ半分で考え事をしている私の耳に、寝室からの物音が届いた。
さっきまでの眠気は嘘のように吹き飛び、全神経が寝室から聞こえてくる物音に集中していくのを感じた。
恐る恐る寝室に近づき、ドア越しに耳を澄ます。
その物音の正体が何なのかを理解すると同時に、激しい憎悪と虚無感が私を襲った。
「またか。ふざけやがって。」
意識する前に声が漏れ出ていた。
その声が聞こえたのか、寝室の音が止み、静寂と闇が部屋を包み込んだ。
この重苦しい空気に耐えかねた私は、リビングのソファに寝転び、静かに目を閉じた。
しばらくして、寝室からまた物音がし始めた。
私はその音を遮断するようにクッションに顔を埋めて眠ろうとした
幸いにも眠気がすぐにやってくるのを感じ、ほっとしながらも、ザラザラした感情の処理の仕方に困惑しながら私は再び眠った。
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