テラーノベル
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あ
16
823
「ん……ぅ、……ん」
蓮に続いて、拓海、大和、陸。
後ろから押さえつけられ、逃げ場のない空間で、俺は4人の唇に自分から触れていくという最悪のお仕置きを受け入れていた。
4人全員とのキスが終わった瞬間、拓海の手が俺の肩から離れる。
自由になった途端、俺は一歩激しく後ろに下がり、自分の袖口で口元を何度も、何度も、皮膚が擦り切れるほどの強さでゴシゴシと拭った。
「……クソが、っ……!」
潔癖症の俺にとって、奴らの生温かい感触が唇に残っていること自体が、反吐が出るほど気持ち悪かった。
口の中を侵食していくような不快感と、プライドを完全に踏みにじられた激しい怒りが混ざり合い、俺の口から汚い言葉が飛び出す。
涙目で4人を猛烈に睨みつける俺を見て、蓮は怒るどころか、むしろその悔しそうな反応を心底楽しそうに眺めていた。
「あはは! すぐ拭いちゃってさ。そんなに俺たちのキス、嫌だった?」
陸が机を叩いて大笑いする。
「嫌に決まってんだろ……! 汚ぇんだよ!」
「怒んなって。でも、これでシクフォニの奴らは今日も無事に学校に通えるんだからさ。お前は立派な『盾』だよ、いるま」
大和が皮肉めいた拍手を送ってくる。
どれだけ口元を拭っても、一度汚された尊厳は元には戻らない。
俺は一軍の4人に背を向け、これ以上ここにいたら本当に心が壊れてしまうと察し、走るようにして空き教室を飛び出した。
廊下をがむしゃらに走りながら、俺はもう一度、制服の袖で口元を強く拭った。
涙がボロボロと溢れて止まらない。
みんなを守るため。その一心だけで、俺は学校の日常の裏で、4人の幼なじみたちの歪んだおもちゃになり続けていた。
コメント
1件
うわっ、第14話……めちゃくちゃ胸が痛む展開だったね……。いるま、潔癖症なのにキス強要されて、あんなに必死に口元拭いてる姿が本当に辛かった。プライド踏みにじられて涙目で睨むのに、蓮たちは楽しんでるってのがまた腹立つわ。「みんなを守るため」って自分の心♡♡♡てるの、もう見てられないよ……。続きどうなるんだろう、いるまの心が壊れないでほしい。