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私は今、絶望の地にただ泣き崩れていた。
周りには仲間の死体だらけ。
自分の手も、血で汚れていた。
「な、…なん、でっ」
私は、一つ歳が上の兄の死体を抱き抱えていた。
ど、うしよ…
なっ、なんでこんなっ!
感情が激しく高ぶり、いつの間にか私の瞳は、緋色に染まっていた。
「ハッ、まだ生きてたヤツ居たか。」
血だらけの服の人が来た。
知らない人だ。
「だ、だれっ…!」
「そんなのどうせ死ぬんだから知らなくていいヨ。」
そう言って首を掴まれる。
「うっ、…」
ズシュッ
「っ!」
「フェイ!何してんの?」
金髪の人がやって来た。
「まだ生きてるヤツ居たヨ。」
「その傷は?」
「このガキにやられたヨ。」
「っ!その子、念を使ってないか?!」
「は?…」
「フェイのその傷も、この子が念でやったんじゃないか?」
「…何ネ。このガキ、」
「団長ー!団長ー!」
「…なんだ。」
「見てよ、この子!念が使えるみたい!」
「…ほう、多少は煮込みがある。」
「ね!そうでしょ?興味無い?」
「…そうだな。鍛えれば、かなり強くなりそうだ。」
「でしょでしょ!俺も手伝うし!育ててみようよ!」
「…まぁ、それはいいとして。そっちのは何だ?」
そう言って兄を指す。
「さぁ、死んでるんじゃ無いの?」
「…そこのヤツはなんだ?」
「わ、っ…私の、兄ですっ…。」
泣きながら私がそう答える。
「…そうか。お前が殺したのか?」
「っ、…」
「…そうか、」
突然意識が途絶える、
「ん、…」
「起きたか。」
「、…あ?」
「?」
前の黒い男が首を傾げる。
「ど、どこだ?ここ。」
「…?さっきと口調が違うな。声も少し低い気がする、」
「誰だよ!」
「、?クロロだ。お前、名前は?」
「ルカ・リーナ…」
「そうか。だが、さっきと口調が違う気がするんだが、?」
俺はやっと理解した。
俺の魂は、妹のルナの体に入っているらしい。
「…なるほどな、」
俺が呟くと、クロロと言う男が首を傾げる。
「どーやら、俺は妹に殺されたらしい。」
「そうなのか?」
「あぁ。」
「俺の妹、ルナって言うんだ。多分さっき、あんたが喋ったのは妹の方だと思う。」
「なるほど…それだったら、口調が違うのも頷ける。…じゃあ、お前はそいつの兄と言う事か?」
「あぁ、そーだよ。」
「…なるほど、さっきのルナと言う少女が兄のルカを殺し、死んだ兄の魂がルナの身体に入ったと言う事か、」
「んー…なんて言うんだっけ。死後の念?ってヤツだよ。俺の場合は、俺を殺したヤツに憑依するみたいな感じだな。」
と俺が言う。
「…そうか、死後の念で。」
「今は、ルナの体の中に俺の人格もあるから、実際ルナは二重人格状態って訳だ。」
と俺が言う。
「てゆーかさ!ここどこ?」
「俺の死体ねーじゃん。」
俺がそう言うと、クロロと言う男が口を開いた。
「お前、というかお前ら二人はクルタ族だろう?」
「ん、まーそうなんだけどさ。」
「お前、何者なの?なんで妹の事攫った訳?」
俺がそう問い詰める。
「お前の妹に興味があってな。強くなりそうだから攫った。」
淡々と言うその男に、「あっそ」と返した。
「あれ?目覚めた?」
「チッ、誰だよ。」
「あれ?なんか違くない?」
「ちげーもん。」
と俺が言う。
「シャル、どうやらコイツはさっきのヤツとは違う人格らしい。」
「…なるほどねぇ。」
「じゃあ、兄って事かな?」
「そーだよ!」
あーめんどくせ。と言う。
「俺ら、幻影旅団って言う盗賊団なんだ。」
「…知らねーな。」
「…あぁ、じゃあお前らは大方、緋の目狙いであの村を襲撃したって訳か。」
「まぁ、そうっちゃそうなんだけど。」
と、金髪の男が言う。
「あ、俺シャルナーク。シャルって読んでね。」
「はいはい。」
「あー、もう俺戻るから。妹によろしく。」
そう俺が言うと、シャルナークが「え?」と声を出した。
「寝たな。」
クロロがそう言ったので、俺も「そ、そうだね。」と賛同する。
「ねー団長、どうする?起きないけど。」
「そうだな、…揺らしてみたらどうだ?」
「え、いいの?そんな事して。」
「お前が聞いたんだろ。」
「んー、じゃ。分かったよ。」
彼女の体を揺らしてみる。
「ん、…ん?」
「あ、起きたんじゃない?」
「ぁ、えと…」
「どうやら、本当にさっきのヤツとは違うらしい。」
「え?、な、何を言って…」
「君の兄の事だよ。」
あ、そっか…お兄ちゃん、。
「わっ、私の兄はどこですか?!」
「居ないが?」
「えっ」