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放課後、校庭の片隅。
○○はクラスの女子たちに呼び出されていた。
「ねぇ、昨日さ……なんで亮くんと一緒にいたの?」
「ほんと、意味わかんないんだけど」
「見たんだけど、海で一緒にいるところ」
○○は俯いたまま、何も答えられない。
秘密の同棲――亮との関係は、誰にも知られてはいけない。
「なんとか言えよ!」
一人の女子が胸ぐらをつかみ、強く揺さぶる。
その拍子に制服が着崩れ胸元が顕になる。
すると別の女子がスマホを取り出し写真を撮ろうとする。
「きゃ、これ絶対面白い!」
○○は身体を震わせ、必死で手を払いのけようとするが、力では敵わない。
さらに、地面に押し倒されそうになる。
「どうせ亮くんと付き合ってるんでしょ!?全部白状しなさいよ!」
容赦ない言葉が次々と襲いかかる。
心臓が張り裂けそうで、息が苦しい。
涙が止まらず、嗚咽をこらえながら必死で顔を伏せる。
――その時、遠くで車のドアが閉まる音が聞こえた。
「○○!」
低くて鋭く、誰もが振り向く声。
振り返ると、亮が全力で駆け寄ってくる。
服が乱れても構わない、何より○○を守ることが最優先だ。
「……亮さん」
泣き崩れそうな○○を見つめ、思わず声が震える。
亮は怒りに満ちた瞳で女子たちを睨みつけ、○○を背後から包むように抱きしめる。
「やめろ!何してんだ!」
その声は校庭に響き渡り、女子たちは一瞬たじろぎその場を後にする。
「……大丈夫。もう怖くない」
背中に響く低く甘い声。
「亮…さん、」
○○は涙でぐしゃぐしゃになった顔を亮の胸に押し付け、やっと安心できた。
背中に腕が回され、ぎゅっと抱きしめられる感覚。
心の奥まで、守られている安心感が染み渡る――。
第4話
〜完〜