テラーノベル
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若井がお風呂に入っている間、窓を開けて窓辺に座り、夜空を眺めながらぼーっとした
たまに、テレビの音や雑音がなっている空間がやけに耳障りな時があって、今日はまさにその日だった
月明かりがやけに明るかったので、部屋の電気を消し、静寂の中でゆっくり目を瞑り夜風にあたる
季節は4月で、心地いい風が吹いていて、気持ちよくて気づけば鼻歌が漏れる
自分の鼻歌に誘われるように、自然とリビングの端に置いてあるアコギを手に取り、 ポロンポロンと弾きながら、再び目を瞑り鼻歌を歌った
しばらくそうしていると風呂上がりの若井が
いつの間にか俺の横にしゃがんで耳を澄ませていた
「ぅわ、!びっ…くりした、、声かけてくれればいいのに、、、!」
俺がびっくりしたことに満足したのか、若井はそれには何も言わず、ただ、優しい笑顔で俺を見つめてくる
じきに、若井の手が伸びてきて、手の平が俺の頬をつつみこんだ
「…元貴、お風呂ありがとね。めっちゃ気持ちよかった。」
俺は「ん。」とだけ返事をして、穏やかな笑みを返した
よっと…といいながら若井が俺の隣にあぐらで座り直し、
「元貴、歌って…」
「俺、元貴の歌すき。」
と、俺の腕からアコギを取り去り、弦をはじく
彼の指で奏でられる滑らかなアルペジオに誘われて歌を歌った
部屋に、ゆったりとした、二人だけの癒しの時間がながれていた
歌い終わると、若井は
「あー、幸せ…」と呟いてニコニコしている
……いつも、すきとか幸せとか、、本当に素直に言うよな…
頬が緩んだけど、照れくさくなり、誤魔化すように立ち上がって、
「さ、火照りとれた?寝よっか」という俺
「もう一曲だけ、、」と抵抗する若井の言葉を遮って、
「近所迷惑だから、、寝るよ」といってアコギを奪うと、 若井は「んーー」と不満そうにしている
本当は俺だってこの癒しの時間を楽しんでいたかったけど、 若井の体のことを考えると少しでも長く睡眠をとってほしかった
「…わかった。」
「じゃあ、寝る前に俺の膝きて…そしたら、寝るから…」
相変わらず拗ねている若井に、「も〜」と返しつつも、
ここは従った方が早いと思い、 あぐらを掻いている若井の膝にすっぽりとおさまった
後ろからぎゅうっと抱きしめられる
しばらくの間、じっとしていると
「元貴、、こっち向いて」というので、 彼の方を振り向くなり、ちゅっと唇が触れる
「へへっ、、やっぱ幸せ、、」
若井はそう呟いて、ぎゅうっと後から抱きしめ直してきた
………幸せなのは、俺なんだよ…
…こんな、、格好よくて可愛い恋人、他にいない……
言葉にしない代わりに、 若井の身体に体重を預けて手を後ろにのばし、わしゃわしゃと彼の髪をなでる
笑いながら、「あ、ちょっ、やめてっ…」という若井の言葉を無視し、頭を撫で続けた
「ちょっ…元貴っ……もうっ!」
若井はそう言って、両手で俺の腕を掴んだと思ったら、器用に俺の身体をくるっと回転させて、 そのままどさっと押し倒してきた
「うっ…わゎ…!…」
腕をつかまれたままで、バランスを崩し、身動きがうまく取れない
慌てて、「若井っ…!ごめん、そんな本気で嫌がってると思わなくて…っ」と弁明するけど、返事はなかった
…おこったのかな……?
「…若井…?」
恐る恐る顔を覗き込む
意外にも若井は優しい目をしていて、 ほっと胸をなでおろしたのも束の間、
押し倒された体制のまま顔を近づけて来た若井と唇が重なった
今度はじゃれるようなキスではなく、 俺の唇を食べるように甘噛みし、ちゅうっと吸ってくる
おこってなくてよかった……けど、、
_____こ…れは…まずい…
若井のスイッチが入った時のキスだ……
考えている間にも、若井は間髪いれずに次から次へと角度を変えて唇を舐めたり吸ったりしてくる
「わかっ……だめっ…ぅむっ……ちょっ…」
最後に柔らかく唇が触れたと思ったら、
ぬるっとした若井の舌が入ってきて、俺の舌を絡めとり、ゆっくりとかき回した
「!?…ぅ…むっ…う…はっ……っ…」
唇が離れるなり、
「はっ…おい…ちょっと、待って、、今日はしない…」と言ったけど、 若井は構わずちゅっ、ちゅっと俺の頬や額や首筋にキスを落とす
「…っ……」
ほのかに香るラベンダーと若井のにおいが混ざって鼻をかすめ、俺を酷く興奮させた
「っ…ふ、、待てって、、若井、、疲れてるでしょ、休まないと…」
「………」
若井は俺の言葉などお構いなし、とでもいうように
シャツの隙間から手を入れて突起に触れる
もう片方の手が、ついにズボンの上から敏感な部分を撫でてきた
「…っひっ…う…っ…」
思わず、声が漏れてしまう
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