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あの夜の記憶が、ゆっくりと蘇る。
雨。血。
床に倒れる高城涼。
その傍らに立っていたのは、泣きながらナイフを持つ“美咲”。
けれど――
鏡に映っていたのは、俺自身だった。
そうだ。俺が殺した。
“妹”という存在は、罪を押しつけるための幻想だった。
俺は美咲の部屋だと思っていた場所に向かった。
そこは、誰も住んでいない空き部屋だった。
窓には埃が積もり、家具もない。
壁に貼られた一枚のメモだけが残っていた。
「兄さん、私はあなたの中で生きている」