『 ダリムと都市の民たちとの戦闘…』
「ドーン!ドーン!ピュンピュン!」
語り手「爆発音と共に、光線が
飛び交っている。」
マイコ「タグマは、元に戻せますよね!
」・すがるような想いでイオラに言った
イオラ「理性を失っている上に、あの
巨体では…。」・ダリム(タグマ)の
方を向いた
語り手「当時のダリムの体長は、
約60メートルなのだ。」
上級研究員Aの声「ガガ…。イオラ。
聞こえるか?」
イオラ「どうした?」・右耳の
イヤホンに触れた
上級研究員Aの声「どうやら、
無事だったようだな。こちらも
窓ガラスが壊れた程度で済んだ。」
ダリム「グオォ〜!!」・低い建物を
次々と破壊している
上級研究員Aの声「本題だが、類を
みないほどの大きさの魔物が
大暴れしていると思う。そこで、政府が
その魔物を『ダリム』と命名し、
倒すことにした。」
マイコ「倒すって、そんな…!」・
イヤホンで音声を聞くイオラに言った
ぷー吉「・・・・・。」・
おすわりしている
語り手「ぷー吉は、自身の体から、
イヤホンの音を出して、マイコに
聞かせているのだ。」
上級研究員Aの声「しかし、
エネルギーを奪いつつの自己再生が
厄介だ。このままでは、こちらが、
やられてしまう。」
イオラ「手立ては、あるのか?」
上級研究員Aの声「あぁ、ほら。刺激を
受けると強固になる物質があっただろ。
それを応用して結界を作るんだ。」
イオラ「なるほど。閉じ込めるのか。」
上級研究員Aの声「複数に分けて、
東の丘へ持っていこうと思う。」
イオラ「それなら、私のいる北側に
来てくれ。距離が近いから、被害は
少なくて済むはずだ。」
上級研究員Aの声「わかった。」
マイコ「・・・・・。」・涙目で、
うつむいている
イオラ「マイコくん…。」・通信を
切って、その方を見た
『しばらくして…』
語り手「たくさんの研究員たちが
ヒックショイで物資を運び、結界を
完成させた。」
イオラ「あとは、誘い出すだけだが…。
」・考えている
マイコ「私に、やらせてください!」・
毅然とした態度で、イオラに言った
イオラ「しかし…。」・マイコを見た
マイコ「大丈夫です!タグマが、
こうなったのも、私の責任ですし。
それに考えがあります!」
イオラ「そこまで言うのなら、きみに
任せよう。」
マイコ「はい!」・うなずいた
語り手「マイコは、ぷー吉を肩に乗せ、
ヒックショイで、ダリムに向かった。」
ダリム「ガアッ!」・大暴れ
マイコ「犬のような姿になっていると
いうことは、バイちゃんも取り込まれて
いるはず…。」・ぷー吉のクチの中から
犬用のホネガム(マンゴー味)を
取りだした
ダリム「グルルル…。」・マイコに
気づいた
マイコ「ほ〜ら!おいしい、
おやつですよ〜。」・ダリムに
ホネガムを見せた
ダリム「クンクン…。」・ホネガムの
匂いをかいだ
「ダン。」
語り手「ダリムは、その匂いに、
つられて、一歩を踏みだした。」
イオラ「よし!イケるぞ!」・ダリムを
見ている
「ダン!ダン…!」
語り手「ダリムは、イオラたちの
居る丘の上まで、やってきた。」
イオラ「今だ!」・ダリムを見ながら
叫んだ
「フォン。」
語り手「ダリムの足元に光の輪が
現れた。」
ダリム「グゥ?」・足元を見た
「バリバリ…!!」
語り手「半球状の結界がダリムを
おおった。」
「ガリガリ!ドンドン!!」
語り手「ダリムが内側から結界を
引っかいたり、体当たりをしたり、
している。」
イオラ「そして、このまま時空の
はざまに送る!」・コブシを握った
「ヒュウン。」
語り手「ダリムは、結界と共に
見えなくなった。」
イオラ「ふう。終わった。」・右腕で、
自身のオデコをぬぐった
マイコ「イオラは、ほぼ何も
してませんが…。」・その方を
見て言った
イオラ「ははは…(笑)。」・マイコを
見て、照れるような仕草をした
マイコ「わかっていましたよ。私を
気づかっていたんですよね。」・
眼をつむって、うしろを向いた
イオラ「えっ、えぇ。まぁ…。」・
よそを見た
「ドーン!ドーン!!」
語り手「大気が激しく揺れ動く。」
研究員たち「・・・・・。」・結界が
壊れないか、ヒヤヒヤしている
『数日後…』
マイコ「この都市も、人が少なく
なりましたね…。」・ビルの上層部から
町を見ている
イオラ「丘の上に、ダリムが封印されて
いるからムリもない。」・マイコの隣に
来て言った
マイコ「それで、倒す方法は、
見つかりましたか?」・イオラを見た
イオラ「プラマを使おうと思う。」・
町を見ながらマイコに答えた
マイコ「あれは、動力が、まだ…。」
イオラ「隣の国に知り合いが居てね。
協力してくれることになったんだ。
まずは、冷凍核兵器を基に…。」・
おどろくマイコを見て、説明を始めた
マイコ「冷凍核兵器?」・首をかしげた
イオラ「あぁ。熱を奪って、核力を
壊す兵器のことだよ。これを受けると、
凍りながら崩れおちるんだ。こちらも
未完成だけど、応用できないかと
思ってね。」
マイコ「その兵器は危険です!どんな
理由であれ、製造と使用を禁止して
ください!開発もです!」・イオラに
強く言った
イオラ「わっ、わかった。先方に
伝えとくよ…。」・たじろいだ
マイコ「プラマは、そんな兵器では
ないと思うんですよね。なんか、こう。
守りたい、助けたいと思えるような
暖か味のあるモノにしたいです。」
「ポムッ。」
語り手「そう言いながら、マイコは、
自身の抱く、ぷー吉を分裂させた。」
イオラ「なるほど…。動力は、あとで
考えるとして、プラマをダリムに
ぶつける、で、いいかな?」・マイコに
確認した
マイコ「はい。」・ぷー吉たちを
ひとつに戻して、うなずいた
「ヒュルルル…。」
語り手「ぷー吉3が、マイコの
ところに来た。」
ぷー吉3「監視施設が完成した。
いつでも、はいれる。」
マイコ「わかりました。イオラさん。
私は、東の丘で、ダリムを監視しようと
思います。」・ぷー吉たちをひとつに
戻した
イオラ「えっ!?」
マイコ「封印した場所から少し南へ
行ったところに、おもしろい仕掛けの
施設があったので、それを流用させて
もらいました。」・話を続けた
イオラ「あの結界は、れお助くんが
飛んだ時代(一万年後の未来)まで
耐えられる設計になっているんだ。
きみの体では…。」
マイコ「いいんです。このまま朽ちても
かまいません。タグマと一緒に
居られるのなら…。」・東の丘の方を
見て言った
イオラ「わかった!では、こうしよう!
私たちがプラマを完成させるから、
それまでは監視を続けてくれ。
そのあとのことは、私に任せてほしい。
いいね?」・マイコの肩に両手を乗せた
マイコ「はい…。」・うつむいて、
返事をした
イオラ「ぷー吉くんは、彼女を頼む。
」・その方を見て言った
ぷー吉「ふぁい。」・うなずいた
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