テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
⚠微死ネタあり!!
✵✵✵✵✵
・・・深く、深く、深く、深く沈んでいく。
遠い遠い、遠い遠い、昔の記憶。
✵✵✵✵✵✵
雨が灰色のカーテンのように街を覆う。
1人の青年が、傘をさしながら、街を歩く。ふと、雨の音にかき消されてしまうほど、か細い“声”が聞こえた。
ふぇーん、ふぇーん
青年は声のする方へと駆け出した。しばらく探していると、路地裏にダンボールがポツンと置かれていた。
青年は覗き込む。
ダンボールの中には“小さな赤子”が。
しかも、赤い髪の子と、青い髪の子。
ダンボールには「拾ってください」と。一言。
青年は2人の赤子を抱き抱えた。
すると、赤子はキョトンと青年を見ていた。青年は記憶にある“とある少年たち”を思い出した。
「・・・一緒くる?」
そう青年、すまない先生はこぼした。
✵✵✵✵✵
それから、数年の時が経った。
拾った子達は成長し、更に、また子供たちが増えた。
皆、喧嘩するけれども、仲良く、本当の兄弟のように過ごしていた。
それから、1年、5年、10年、15年・・・
✵✵✵✵✵✵✵
・・・ついさっき、最後の子供が亡くなった。
青年はしばらく小さくなって帰ってきた子供たちを抱きしめ、泣いていた。
泣いて、泣いて、泣いて・・・
やがて、青年はその小さくなった子供たちを納め、また旅に出た。
もう、何回目か、何十回目か、何百回目か、もしかしたら、もう何千回かもしれない。
やはり、何度も経験しても、別れというものは辛い。
✵✵✵✵✵✵
「せんせ?」
ふと、声が聞こえ、目を覚ました。
そこには、レッドとブルーが顔を覗き込んでいた。
「・・・こんなとこで寝たら風邪引きますよ、先生」
そうブルーがすまない先生の髪に沢山ついている落ち葉をパッパッと払う。
ぼんやりすまない先生は眠気まなこで目を擦る。
「よく寝てましたね。どんな夢見てたんですか?」
そうすまない先生にレッドが聞いた。
すまない先生は少し困ったように笑い、こぼした。
「“忘れちゃった”」