始まりました、ハッピーエンドになるかは皆様の反応次第のくがのじ2話目
完璧、さきいかの趣味と性癖が飛び出します。
ちょっと捏造入っています。野島くんが組入りした時間軸が
分からないので、とりあえず高砂ニ…ネキが左遷される前です。それではどうぞ
僕は、久我の兄貴が好きでした。
久我の兄貴は優しくて強くて、僕みたいなのが好きになってはいけなかったのかもしれません。
気づいてくれなくても、ただ、無償の愛を捧げられるだけでもよかった。でも、兄貴には、
唯一無二の大事な人ができてしまった。
僕は好きと言えずウジウジして、あなたを愛す権利さえも失ってしまった。
自分を殺したい。自分を呪いたい。もし僕が女の子だったなら、あいつよりも先に、
兄貴は……………兄貴は僕を好きになってくれましたか?
目を開く。味気ない天井が気持ち悪く見える。
周りには、脱ぎ捨てたスーツ、大量の空き缶、空のチョコ箱……………
石みたいな体をなんとか起こして、状況を把握しようとするが、涙で前が見えない。
昨日から泣いて、寝ている間も泣いて、枯れたと思っていたのに、次から次へと溢れでる。
祝福しないと。邪魔してはいけない。頭では分かってる。
大丈夫だ、野島。この気持ちは風化していつかは消える。何回言い聞かせても、駄目だ。
まだ兄貴が好きだ。あの女よりもずっとずっとずっと。
この先、生きていても、あんなに人を愛することはないだろう。そのくらい、本気だった。
好きになってごめんなさい。あぁ、僕はこの期に及んでまだ自分が傷つかないように、
大切なものが壊れないように、生きている。僕は、弱虫だな。
あの日から3日程時が過ぎ、兄貴は大分変わってしまった。1日目は匂い。香水が変わった。
爽やかな制汗剤とウッディ系の香水のヒノキの香り、頭を撫でられたときに不意にかおる
その匂いが、媚びた柑橘系の甘ったるい香りになった。2日目は持ち物。兄貴の耳には
似合わない派手なピアス、首元にはネックレス……………マーキングのつもりなのだろうか。
兄貴の趣味趣向を全く理解していない。僕ならもっと兄貴に似合うものを繕うことができるのに。
3日目は時間。あんなに舎弟や兄貴達と飲むのが大好きな兄貴が、早く帰宅するようになった。
何度誘っても、「すまん。ちょっと用事が…」と断られる。
僕の知らない兄貴が増えて怖い。事実を受け入れたくない。それでも追い討ちをかけるように
組内では、「久我の兄貴に恋人が出来た!?」という噂で賑わっていた。
「よぉ野島ぁ、知ってるか?久我に“コレ”出来たんだってな」
「相良の兄貴、何の用ですか……………兄貴にあまり会話しないよう言われているんですが」
「チッ、つまんねぇな」
下品に小指を立てるこの男は、相良の兄貴。金を稼ぐためなら手段を選ばないクズ中のクズだ。
また、久我の兄貴とは犬猿の仲である。
相良の兄貴は、図々しく僕の横の背もたれのある椅子に座ると、おもむろに煙草を吸い始めた。
「煙たいです。外で吸ってください。ゲホッ…」
「女子かよ、……………はぁ」
その言葉と同時に僕が灰皿を差し出すと、兄貴は舌打ちと共に火を消す。この人変なところで
素直だなぁ と思いながらも軽く礼をして仕事に戻る。
「だってよぉ……………あいつがだぜ。仕事人間。マジEDかと思ってたわ。」
「……………………………………………下品ですよ。少し静かにしてください」
兄貴は黙らない。それどころか、だんだん加速し始めてきている。
やっぱり煙草、吸わせておけばよかった。
「正直なところ、お前も気になるんだろ。まぁ顔は良くても性格クソだし極道だからなぁ……………
キャバ嬢がいいところだろ。あ、もしかしたら地下アイドルとかかもな」
「……………………………………………………」
嫌だ。やめてくれ。
「お堅いヤローだし、案外夜の方は激し……
気づけば行動に出ていた。僕に蹴っ飛ばされたごみ箱は壁に当たり、なかにあった塵屑を
撒き散らす。いつもヘラヘラと笑っている相良の兄貴もこれには驚いたようで、目が
というか瞳孔が少し小さくなっていた。意図せず涙が出る。これじゃあ赤ちゃんじゃないか。
そうだ。兄貴に謝らないと。あれ?声がでない。息ができない。苦しい。
……………このままいけたら、幸せだろうか。叶わない恋に悩むことはないだろうか。
あ、切れた。僕は逃げ出した。
僕は馬鹿だ。馬鹿は死ななくちゃならない。
僕は野島翔。兄貴の有能な舎弟。それ以上でにもそれ以下にもなれない馬鹿。
勝てるわけない恋愛に、希望を持ってしまった馬鹿。
最近は、虹が綺麗に見えない。起きても生きる意味、目的が見出だせない。
死にたいけど、せめて兄貴のために死にたい。その思いが僕を現世に縛り付けている。
初めてバックレた。
公園の遊具の中で体を丸めている。辺りは6時頃であるのにもかかわらず子供誰一人いない。
寒さのせいだろうか、手が震える。そういえば、僕が恋に落ちた日もこんなんだったな。
「久我の兄貴……………」
会いたい。大好き。好き。好き。誰かのものになってほしくなかった。
「い゛ッッ、何するんですか!高砂の兄貴」
「虎徹ちゃん、さすがに目に余るわ。わざとなら私、殺しちゃうかも」
「いったい何のことスか」
「そのチャラチャラした耳飾りを送った子についてよ‼」
「ああ、ソイツならもう別れましたよ。まぁ……ほぼ脅されて付き合ってたようなもんですがね」
コメント
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きになるー!!!!!!!!!!
切ねええ!!でも好きいい!!